衝突被害軽減ブレーキの要件強化も
国土交通省は1月4日、大型車の衝突被害軽減ブレーキ(AEBS)に関する国際規則の改正合意に伴い、新たに対歩行者の基準が追加されたことなどを受け、国内の車両保安基準を見直すと発表した。
トラックやバスのAEBSについて、同日付で新たに対歩行者の制動要件などに適合することを要件として設定。具体的には、性能の試験として、6歳児相当の大きさのダミーを時速5kmのスピードで横断させ、時速20kmで走る車両が検知、衝突しないことを加えた。人に対してもより確実にAEBSが機能するよう後押しするのが狙い。
また、試験の際、静止している車に対して進むスピードを従来の時速20kmから70kmまで引き上げ、高速で走行していても前方の静止車両に衝突しないよう検知できることを追加した。新型車は2025年9月、継続生産車は28年9月から適用する。
併せて、高速道路での車線維持機能を有する自動運行装置の要件について、作動可能な上限速度を引き上げるとともに、車線変更機能の要件を追加した。
さらに、車両総重量3.5トン超のバスやトラックについて、1月19日付で後退時に警報音を発する車両後退通報装置(バックアラーム)を備えることを義務付ける。既に車両後方を確認できるバックモニターの搭載は義務化しており、さらに安全対策を強化する。新型車は2025年1月19日、継続生産車は27年1月19日からを対象とする。
国交省は、国際連合欧州経済委員会自動車基準調和世界フォーラム(WP29)で日本が改正を主導したと強調している。
(藤原秀行)※イラストはいずれも国交省プレスリリースより引用