RFIDで業務改善、コスト削減や労働時間短縮図る
帝人は1月17日、内閣府が主導する国家プロジェクト「スマート物流サービス」に聖路加国際病院、東京医科歯科大学病院、小西医療器、ホギメディカルらと共同して参画し、医療機関で使用される医療材料に関する物流データの一元的な管理、共同院外倉庫の設置およびRFIDの活用による業務効率化の仕組み構築を実現、1月に本格稼働を開始したと発表した。
帝人は独自の二次元通信によるRFID管理技術を活用した物品管理システム「レコピック」、「レコファインダー」の「Reco
(レコ)シリーズ」を展開してきた。特に医療機関でRFID 用いた医療材料の物流効率化を図り、コスト削減や労働時間短縮に向けたソリューションを提供している。
現状、メーカーから出荷された医療材料は複数の卸を通して各病院へそれぞれ納品されることや、病院内の在庫スペースが限られており納品量を少なくする必要があることから、積載効率が悪く配送回数が多い非効率な状況に陥っている。
状況改善のため、帝人などは複数病院で使用される医療材料を一括で保管する共同院外倉庫を、各病院から近い佐川グローバルロジスティクスの「東京SRC」(東京都品川区)に設置。広い在庫スペースを確保することで一度に納品できる量を増やし、積載効率の向上と配送回数の削減を可能にした。
さらに、共同院外倉庫内で各病院の使用部署ごとの仕分けを行い、各病院内で行う仕分け作業の手間を削減することができた。
一方、共同院外倉庫内の在庫管理および出荷、さらには病院内での検品や在庫管理作業には「Recoシリーズ」を活用してRFIDによる一元管理の仕組みを構築。手間と時間を要するバーコードでの読み込み作業を撤廃し、業務効率の向上を実現した。
また、「Recoシリーズ」で読み取られたそれぞれの入出荷情報や発注情報、各病院内での使用実績などの情報は、共通のデータプラットフォームに集め、物流状況の可視化による一元的な管理を行っていく。
約半年間にわたる実証実験の結果、聖路加国際病院は院内物流業務の約60%削減、東京医科歯科大学病院は手術材料の使用実績登録業務の約95%削減、医療材料メーカーも約30%の配送回数削減の目途が付いているという。
「スマート物流サービス」のイメージ(プレスリリースより引用)
(藤原秀行)