三井不動産と日鉄興和不動産が東京・板橋で都内最大規模の物流施設開発へ、ドローン配送の研究機能も★続報

三井不動産と日鉄興和不動産が東京・板橋で都内最大規模の物流施設開発へ、ドローン配送の研究機能も★続報

日鉄工場跡地を活用、25.6万㎡で24年9月末竣工見込む

三井不動産と日鉄興和不動産は1月26日、東京都板橋区舟渡で物流施設「MFLP・LOGIFRONT東京板橋」を共同で開発すると発表した。

日本製鉄の鋼管工場跡地を活用し、約9万3200㎡の敷地に地上6階建て、延床面積は約25万6100㎡と東京都内では最大規模になる見込み。今年2月に着工、2024年9月末の竣工を見込む。現時点でヤマト運輸の入居が決まっており、「クール宅急便」の配送拠点などとして活用する予定。


竣工イメージ(三井不動産提供)


広大な建設予定地


開発予定地で記者会見した後、撮影に応じる(左から)三井不動産・三木孝行取締役専務執行役員ロジスティクス本部長、板橋区・坂本健区長、ヤマト運輸・阿部珠樹常務執行役員兼輸配送ネットワークマネジメント部長、日鉄興和不動産・吉澤恵一副社長企業不動産開発本部長

首都高速道路5号池袋線の中台出入口から約2.7kmで都心部の配送に強みを持つ立地。都営地下鉄三田線の西台駅から徒歩約10分で、周辺5km圏内には約106万人が居住しており、労働力確保でも強みを持つとみている。

食品類のECやチルド配送の需要が高まっているのを踏まえ、1階には大規模な冷凍・冷蔵倉庫としても使えるよう、床荷重は2t/㎡を確保。

また、新たな取り組みとして、政府が昨年12月に都市部上空でドローンが目視外飛行する「レベル4」を解禁したのを考慮し、ドローン物流の研究開発に使える飛行用フィールドなどを敷地内に設ける。隣接する新河岸川を使った飛行試験もできるようにし、ドローンを使った災害時の支援物資輸送拠点などとして使うことも検討する。

物流領域の脱炭素が強く求められていることを念頭に置き、約4MW分の太陽光発電設備を取り入れるなど、テナント企業に再生可能エネルギー由来のグリーン電力を100%供給できるようにする構想。温室効果ガス排出は実質ゼロにする。DBJグリーンビルディング認証やZEB認証の取得を予定している。

礼拝所やジェンダーレストイレを設けるなど、従業員の多様性に配慮。ラウンジやデッキテラスなども設ける。

地域住民との共生を重視する「街づくり型物流施設」として開発する。具体的には、三井不動産と日鉄興和不動産は1月26日付で、地元の板橋区、施設完成後に入居するヤマト運輸と「災害時等における防災施設整備等に関する4者基本合意書」を締結。近くに川があることを受け、水害時の緊急一時退避場所や避難路などを整備。地域住民1000人を受け入れられるようにする。ヘリポートとしても使える高台広場も造る。

隣接する板橋区立舟渡水辺公園と一体となった約3万㎡の公開空地や川沿いの歩行空間は周辺住民らにも開放する。


板橋区立・舟渡水辺公園との一体整備イメージ(三井不動産提供)

(藤原秀行)

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