中小製造業で海外進出「検討」はわずか2割弱、「販路開拓」への懸念強く

中小製造業で海外進出「検討」はわずか2割弱、「販路開拓」への懸念強く

STANDAGEが経営者・役員対象の実態調査結果公表

貿易業務のワンストップ支援サービス「デジトラッド」を展開しているSTANDAGE(スタンデージ)は1月31日、海外に進出していない中小製造業の経営者・役員100人を対象とした海外展開に関する実態調査結果を公表した。

調査サマリー

昨今の円安・資源高、物価高騰などの動きを受け、輸出拡大や海外展開への意欲が高まった企業はわずか19.0%。意欲が高まらない理由としては「自社の製品が海外で売れる自信がない」、「任せられる人材がいない」などが目立った。仮に今後、輸出拡大や海外展開をする場合、約半数が「販路開拓」を懸念していることが浮き彫りとなった。

同社は「国内市場における厳しさを感じても海外展開にまで目を向ける製造業は少ないことが分かった」と指摘した。中小製造業が総じて海外展開に及び腰なのが見て取れる結果となった。

調査概要
調査概要:製造業の海外展開に関する実態調査
調査方法:IDEATECHが提供するリサーチPR「リサピー」の企画によるインターネット調査
調査期間:2023年1月13~18日
有効回答:海外進出をしていない、中小製造業(従業員数100人~300人未満)の経営者・役員100人
※構成比は小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計しても必ずしも100とはならない

昨今の円安・資源高、物価高騰などの動きを受け、輸出拡大や海外展開への意欲が高まったかどうかを尋ねたところ(n=100)、「かなり高まった」が5.0%、「やや高まった」が14.0%で、合計しても19.0%にとどまった。

「かなり高まった」「やや高まった」と回答した人にその理由を聞いた結果(n=19、複数回答可)、「日本市場が縮小しているから」や「円安のため輸出での利益が得やすいから」などが多かった。

一方、海外展開の意欲が「あまり高まっていない」「全く高まっていない」と回答した人が理由として挙げたのは(n=74、複数回答可)、「自社の製品が海外で売れる自信がないから」と「任せられる人材がいないから」がともに36.5%で最多となり、「適切なパートナーを見つけることができないから」が28.4%で続いた。

輸出拡大や海外展開をすると仮定した場合、何年スパンで検討したいと思うかとの質問には(n=100)、「5年より長い」が21.0%でトップとなり、「3年以内」の14.0%より多かった。

今後輸出拡大や海外展開をする上で課題となりそうなものを挙げてもらったところ(n=100、複数回答可)、「販路開拓が難しい」が47.0%、「買い手との交渉・契約に不安がある」が39.0%、「貿易に関するノウハウ不足」が38.0%となった。

海外展開の意欲が「あまり高まっていない」「全く高まっていない」と回答した人に、販路開拓や交渉、決済、物流まで海外貿易に関する全てを丸投げできるサービスがあったら検討してみたいかと聞いたのに対し(n=74)、「非常にそう思う」は1.4%、「ややそう思う」は21.6%。「全くそう思わない」の45.9%と対照的だった。

輸出拡大や海外展開をする場合に注目したい海外市場としては(n=100)、「東南アジア市場」が26.0%、「北アメリカ市場」が21.0%、「ヨーロッパ市場」が18.0%などとなった。

(藤原秀行)※グラフなどはSTANDAGE提供

URL:https://standage.co.jp/digitrad

経営/業界動向カテゴリの最新記事