楽天モバイルから業務受託のTRAIL、東京国税局が所得隠しで30億円追徴課税

楽天モバイルから業務受託のTRAIL、東京国税局が所得隠しで30億円追徴課税

日本ロジステック経由で携帯電話基地局の機材輸送など担当

楽天グループで携帯電話事業を手掛ける楽天モバイルから携帯電話基地局の機材輸送などを受託していた運送会社「TRAIL(トレイル)」(東京都港区)が、東京国税局から過去3年間で計70億円超の所得隠しを指摘されていたことが分かった。関係筋によると、TRAILは重加算税を含め、約30億円を追徴課税されたもよう。

TRAILは、楽天モバイルの物流を担っていた日本ロジステックから輸送業務などを受託していた。業務の一部は、さらに下請けへ委託していたとみられる。

東京国税局がTRAILの取引などをめぐって税務調査を実施した結果、同社が外注費や配送費を水増し請求するなど、経費を過大に計上して利益を実態より少なく装っていたと判断。追徴課税に踏み切ったもようだ。

楽天グループと日本ロジステックをめぐっては、楽天モバイルが昨年9月、社内調査の結果、元従業員が日本ロジステックの役員と共謀して日本ロジステックから楽天モバイルへ水増し請求を続け、その利益を元従業員が不正に得ていたことが判明したと発表。元従業員を懲戒解雇し、警察に告訴状を提出した。被害額は40億円を超えるとみられている。

楽天モバイルは日本ロジステックの預金仮差し押さえを東京地裁に申し立て、認められたことから日本ロジステックは資金繰りに行き詰まり、民事再生法の適用申請に追い込まれた。TRAILもその影響で業績が急激に悪化、帝国データバンクや東京商工リサーチによれば、自己破産の準備を進めている。

(藤原秀行)

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