次世代搬送システム開発のLexxPluss、14.5億円調達し米国進出

次世代搬送システム開発のLexxPluss、14.5億円調達し米国進出

生産規模は年間1500台目指す

次世代の自動搬送システム開発を手掛けるスタートアップのLexxPluss(レックスプラス)は3月15日、シリーズA(会社創生期)ラウンドとして、DRONE FUND、SBIインベストメント、DBJキャピタル、三菱UFJキャピタルなど11社から約14.5億円の資金調達を実施したと発表した。累計で18億円に到達した。

LexxPlussは併せて、米ニュージャージー州ニューアークに現地法人を設立し、米国進出することも発表した。海外で事業展開し、製品の設計情報を無償公開しながら共に共同利用するオープンパートナーシッププログラムのパートナー企業を、今後2年間で国内外で100社まで広げる計画。

さらに、次世代自動搬送ロボット「Hybrid-AMR」の生産規模を年間1500台に拡大させることを目指す。

米国は移民の減少や、新型コロナウイルス禍後の労働への意識変容などにより、製造、物流従事者の減少が深刻な社会問題化している。米国の自律走行搬送ロボット市場は2021年には7億6200万ドル(約990億円)と見込まれ、既に同年の日本市場の30倍ほどに達している。2028年までには32億ドル(約4200億円)規模まで拡大するとみられている。

さらに、自動車からEV(電気自動車)への製造シフトにより、自動搬送ソリューションへのニーズが年々高まっている。こうした事情を踏まえ、日本に加え米国でも事業展開することにした。

同社が手掛けている「Hybrid-AMR」は、自動運転と同様に自律的に障害物を検知・迂回できるAMR(自律走行搬送ロボット)と繰り返し精度と作業スピードを保証できるAGV(​​無人搬送ロボット)の両方の性能を持つ、日本で唯一の自動搬送ロボットと説明。

また、ロボットの走行管理システム「Konnectt(コネクト)」は、日本語を母語としない作業員でも利用可能な言語非依存性のインターフェースや、50台以上のロボットを一括管理する機能を持ち合わせ、ハードウェアからソフトウェアまで一貫したシステムを提供できることが強みとなっている。

作業員との共存が必要な作業環境や、レイアウト変更が頻繁に行われる製造/物流現場、重量500kgまでの搬送が必要であったことから、大規模に自動化ができなかった物流センターでの入荷・出荷時のかご台車搬送や、宅配便事業社の中継拠点での重量物の仕分け搬送、荷量が多い卸売向け倉庫でのピッキング工程、製造現場でのアームロボット連携などの自動化が可能になった。

既に量産販売を開始し、佐川急便が採用するなど実際の現場で運用が始まっている。

併せて、「Hybrid-AMR」や走行管理システム「Konnectt」の設計・製造・運用に関する技術情報を無償公開しながら産業パートナーとその自動化技術を共同利用するオープンパートナーシッププログラムを実施しており、既に30社以上の企業が参画。IHIや椿本チエイン、東芝インフラシステムズなどが名を連ねている。

拡大する市場を見据え、1カ所だった国内の製造・試験拠点を3カ所へ増設する予定。

シリーズA資金調達の概要
・ 資金調達額:約14.5億円(第三者割当増資)

< 新規引受先 (順不同) >
・ DRONE FUND 株式会社
・ SBIインベストメント株式会社
・ DBJキャピタル株式会社
・ 三菱UFJキャピタル株式会社
・ 未来創造キャピタル株式会社(みずほリース株式会社CVC)

< 既存株主による追加出資 (順不同) >
・ インキュベイトファンド株式会社
・ 三井住友海上キャピタル株式会社
・ Logistics Innovation Fund
・ SMBCベンチャーキャピタル株式会社
・ SOSV
・ みずほキャピタル株式会社

(藤原秀行)※いずれもLexxPluss提供

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