東京海上日動、ドローン事故時に保険金迅速支払い可能な新商品開発

東京海上日動、ドローン事故時に保険金迅速支払い可能な新商品開発

最短2カ月程度で支払いを念頭に

東京海上日動火災保険は3月7日、ドローンが飛行中に事故を起こした場合、迅速な被害者支援を実現するための新たな損害保険商品「被害者支援費用担保特約」を開発したと発表した。

政府が昨年12月、有人地帯上空でドローンが目視外飛行する「レベル4」を解禁したのに伴い、物流などの領域でドローン利用がさらに広がると見込まれていることに対応。普及を後押しするため損害保険商品を整備した。

既存のドローンの損壊などをカバーする損害保険の特約として提供。同社は最短2カ月程度で保険金を支払うことを念頭に置いている。

これまで、ドローンが引き起こした事故で通行人が負傷したり、建物などを破損させたりした場合、基本的に損害の責任はドローン操縦者が負っていた。一方、自律飛行やドローン運行管理システム(UTM)の活用普及に伴い、今後は損害の責任が、自律飛行プログラムの製造者やUTM事業者にも発生するケースが想定される。

その結果、機体と操縦のいずれに問題があったのかを突き止めるための調査に時間を要すると、被害者救済のための賠償金支払いに時間を要する可能性がある。

国土交通省も「無人航空機(ドローン、ラジコン機等)の安全な飛行のためのガイドライン」で、賠償責任保険への加入を推奨し、被害者に対し十分な補償が提供できる上、かつ速やかに被害者が救済される保険への加入が望ましいと説明しており、ドローン市場の発展に伴い保険の重要性が高まっている点を考慮した。

「被害者支援費用担保特約」の概要
・補償内容
保険の対象となるドローンの飛行で第三者への対人・対物事故が生じた際、誰が賠償責任を負うべきなのか確定しない場合でも、被害者が必要とする治療費や物件の修繕費などの実費について、被保険者(ドローンを飛行させた人)が負担するために支出する費用を、支払限度額を上限に支払う。

賠償責任を負う主体が確定した後に、被保険者に賠償責任が認められる場合は、現行の損害賠償責任保険で補償する。

・ 提供方法
本特約は、ドローンの業界団体やドローン製造者などを保険契約者とし、ドローンユーザーが補償対象者となる団体保険として、ドローンの損害賠償責任に関する補償をセットした動産総合保険で提供する。

(藤原秀行)

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