荷物を持ったまま仕分けやピッキングも可能、年内に完成版リリース目指す
情報機器の取り扱いなどを担うコーユービジネス(大阪市)は3月23日、物流業界向けにスマートグラスを利用した作業効率化支援システム「ロジスグラス」を開発したと発表した。完成版は年内にリリースする予定。
ロジスグラスは同社のAR(拡張現実)技術を活用し、作業者は荷物を持ったままスムーズに棚入れや仕分け、ピッキング作業などが行えるのが特徴。
4月12〜14日に大阪市内で開かれる「関西物流展」でプロトタイプデモを公開する。
作業者がロジスグラスを装着し、荷物に貼られている商品コードを読み取ると、瞬時に通路番号、格納エリア、棚番号、商品名が目の前に浮かび上がり、作業者は荷物を持ったままでスムーズに作業を進められる。
作業者の熟練度に関係なく、今日着任したばかりの新人社員でも、すぐに作業を行うことが可能となる。棚場所の勘違いによるロス、棚場所を確認する時間や荷物の持ち替えなどの時間を解消し、労働時間の短縮につなげられると見込む。同社は環境や現場ルールによって差があるが、労働時間50%の短縮を目指すことができると説明している。
拠点間配送でロジスグラスを装着し、トラックの個別コードを読み取ると、瞬時に積み込む客先コンテナが積み込み順に表示されるため、円滑に作業を済ませられると見込む。配送担当者の能力差がなくなり、若返りや女性進出の門戸を開く支援になるとみている。さらに、トラックドライバーの長時間労働規制が強化される「2024年問題」への対応として活用できると期待している。
ロジスグラスは動画を撮影する機能があり、ラストワンマイル配送の領域で、トラックから荷物を降ろして戸口で置き配するまでを動画で撮影、サーバで一定期間保存することで、トラブル発生時にもすぐに原因を究明、迅速な対応で顧客サービス向上を図ることができると展望している。
(藤原秀行)※いずれもコーユービジネス提供