中国の京東集団、20年目標に「支線輸送」へ大型ドローン投入

中国の京東集団、20年目標に「支線輸送」へ大型ドローン投入

日本法人代表が講演で計画表明

中国のeコマース大手、京東集団(JDドットコム)の日本法人、京東日本の荒井伸二日本業務最高責任者は3月15日、千葉市の幕張メッセで開かれていた「ジャパンドローン2019」で講演した。

荒井氏は物流へのドローン(小型無人機)活用について、中国ではラストワンマイルの商品配送に加え、倉庫間の横持ち輸送も担うことで在庫の圧縮を図る狙いがあると説明。200~300キログラムの荷物を搭載できる大型ドローンの開発を進めていることを明らかにした。


講演する荒井氏

同氏は中国の京東集団が展開している物流の現状として、アジア最大級の最先端物流センター20カ所と550を超える倉庫、約7000箇所の配送ステーションを展開し、自前の配送は中国人口の99%をカバーしていると強調。当日か翌日の配達が商品注文の90%超となるなど、サービス品質アップが顧客満足度向上につながっているとの見解を示した。

ドローンを配送に活用するプロジェクトは2015年12月に始動。国内の“幹線・支線・末端”の3レベルでまずドローンと航空機を組み合わせた物流を行っていくと語った。荒井氏は「ドローン自身が自分で航路を決め、人に頼ることなく飛行していけるようになることを目指している」と話した。

現在保有しているドローンは基本的に設計を外部の事業者へ委託することなく、自社で手掛けていると強調。その理由として「市場には当社が受けている顧客からの高い要求をカバーできるドローンがまだ存在しない。だから自社で開発している」と述べた。

昨年2月には省レベルのドローン配送ライセンスを取得するなど、物流へのドローン活用を着々と進めており、今年初めにはインドネシアでドローンの飛行を開始したことを明らかにした。

さらに国内の支線を担う大型ドローンの開発を現在進めており、20年の運営開始を目指していると強調。飛行半径が300キロメートル程度、積載量は200~300キログラムを想定していると語った。

(藤原秀行)

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