ニチレイ・大櫛社長、低温物流事業で2024年問題への対応「ほぼできたと自負」

ニチレイ・大櫛社長、低温物流事業で2024年問題への対応「ほぼできたと自負」

拠点再配置など推進

ニチレイの大櫛顕也社長は5月9日、東京都内の本社で開催した2023年3月期連結決算の説明会で、グループで展開している低温物流事業に関し、トラックドライバーの長時間労働規制が強化される「2024年問題」への対応は、物流拠点の配置見直しや輸配送効率化などがほぼ完了したとの見解を示した。

大櫛社長は「この問題は低温物流の中でおそらく大きな転換期になるだろうと思い、冷凍・冷蔵倉庫と配送の組み合わせ、配置(の最適化)を長期間かけてやってきた。(幹線輸送は)一番物量が流れるところで、なおかつ距離があり、必ず労働時間規制のネックになるだろうと拠点整備を続けてきた」と説明。

「必要なところに自社投資し、足りないところは他社のアセットを使ってやっていきましょうということで、ほぼ想定通りに(拠点整備は)今動いている」と語った。


説明会に臨んだ大櫛社長

併せて、荷台部分を切り離せるトレーラーの特性を生かして中継輸送を推進、トラックドライバーを物流拠点の積み下ろし作業から解放する新たな輸配送システム「SULS(サルス)」の導入拡大などに取り組んでいることにも言及。「総合的に見て、対応はほぼできたかなというふうに自負している」と述べた。

低温物流事業で物価高騰を踏まえ、コスト上昇分の一定割合を商品保管のサービス料金に転嫁、顧客にも負担してもらう仕組み「電力料金サーチャージ」を導入したことに関しては「ご理解をいただくのに時間がかかったが、最終的に多くのお客様にご理解いただいた」と説明した。

(藤原秀行)

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