アジア太平洋の輸送・物流事業者、5割がアセットや荷物の追跡システム採用

アジア太平洋の輸送・物流事業者、5割がアセットや荷物の追跡システム採用

デジタル地図大手ヒア・テクノロジーズ調査、日本は7割に

オランダのデジタル地図大手HERE Technologies(ヒア・テクノロジーズ)は5月29日、日本を含むアジア太平洋(APAC)地域の輸送/物流(T&L)業界従事者1300人(このうち日本は100人)を対象にした、サプライチェーンの運営効率化などに関する最新技術動向と導入の現状を尋ねた初の調査結果「APAC On The Move」を公表した。

日本で調査に参加した企業の約4分の1(日本 26%、APAC平均52%:以下同様)が、適切なパートナーやサプライヤーを見つけることが技術の実装における最大の障壁だと回答。そのほかコスト(21%、APAC44%)、社内の専門知識や人材の不足(16%、APAC29%)が日本の物流企業の大きな懸念になっていることが浮かび上がった。

調査概要
調査期間:2023年3月
調査機関:自社調査
調査対象:オーストラリア、台湾、インドネシア、インド、日本、マレーシア、シンガポール、タイの輸送/物流業界の企業幹部
有効回答数:1,300名
調査方法:インターネット調査

HEREは既存のインフラにソフトウェアを統合する難しさ(21%、APAC52%)、ソリューションを運用管理できる熟練した人材の不足(19%、APAC35%)、ソリューションを実装する時間の不足(17%、APAC39%)が、物流アセット追跡と荷物/貨物モニタリングソリューションの導入を妨げる主な障壁になっていると指摘した。

また、日本の物流企業の過半数(70%、APAC51%)はアセット追跡/荷物モニタリングソフトウェアを利用し、手作業入力なしでアセット、荷物、貨物をリアルタイムで追跡している。HEREはその一方、「今回の調査では、ソフトウェアの統合から熟練人材確保の壁にいたるまで、日本企業が今日直面している現実的な課題が浮かび上がっている」との見解を示した。

日本の回答者にとっての位置情報の主な3つの用途は、カスタマーサービスの向上(21%)、到着予定時刻(ETA)の予測とトラック&トレース機能の使用(19%)、アセットの追跡(16%)となっている。

HREは「調査結果は、多くの日本企業が差し迫る2024年問題に備えた強いインフラを持っていることを示唆している。業界がこの危機を迎えるに当たり、リアルタイムでアセットを追跡する動きは日本の労働力不足の軽減に向けた重要な前進となる」と分析している。

また、日本の物流企業の3分の2近く(60%、APAC40%)が、荷物/貨物モニタリングソリューションの構築・購入の動機として顧客満足度の向上を挙げており、物流企業が将来の技術に投資する主な理由としても同様という(60%、APAC39%)。

脱炭素化については、日本の回答者の56%(APAC39%)が、物流アセット追跡、荷物/貨物モニタリングソリューションを購入する動機として持続可能性への取り組みを挙げており、意識の高さが感じられた。

日本の物流企業にIoTの用途を選んでもらったところ、倉庫管理(22%)、アセット追跡(19%)、在庫管理(18%)の順となった。

将来に目を向けると、日本の物流企業の半数以上がブロックチェーン(58%、APAC27%)、ドローン(56%、APAC33%)、EV(電気自動車(55%、APAC: 23%)、自動運転車(51%、APAC: 27%)への投資を計画していると回答。各技術については、意思決定を助ける(56%、APAC38%)、技術力を高める(50%、APAC39%)と認識されている。

(藤原秀行)

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