韓国の現代、米国で大型「水素トラクター」の最新市販モデルを公開

韓国の現代、米国で大型「水素トラクター」の最新市販モデルを公開

市場開拓しバリューチェーン拡大目指す

韓国の現代自動車(Hyundai Motor、ヒョンデ)は5月2~4日に米カリフォルニア州アナハイムで開かれた北米最大の先端輸送技術と環境負荷の低い車両に関するイベント「Advanced Clean Transportation(ACT)Expo」で、北米の商用車(CV)市場向けに、燃料電池市販電気モデル(クラス8、6×4)の新型XCIENT Fuel Cellトラクターを初めて公開した。水素燃料電池システムも併せて出展した。

現代自動車は今後、水素燃料電池トラックのユーザーに効率的な車両運用を支援するソリューションを提供し、米国での水素バリューチェーンを拡大するために、パートナー企業と将来の事業促進を目指す。


(現代自動車提供)

同社はジョージア州に電気自動車(EV)専用工場「Hyundai Motor Group Metaplant America(HMGMA)」を建設中。HMGMAは年間最大30万台のEV生産が可能と見込む。シンガポールのHyundai Motor Group Innovation Center(HMGICS)が開発・実証した革新的な生産プラットフォームを備える計画。

2020年に初めて発売したXCIENT Fuel Cellは、スイス、ドイツ、イスラエル、韓国、ニュージーランドの5カ国で展開。これまでに400万マイル以上の走行実績を重ねてきた。

イベントで展示したモデルは、2つの90kW水素燃料電池システム(合計出力180kW)と350kWの電気モーターを搭載した6×4トラクター。総重量は最大8万2000ポンドで、フル積載時でも1回の充電で450マイル以上の航続距離を提供できるという。

XCIENT Fuel Cellは、現代自動車グループの水素エネルギー専門事業ブランド「HTWO」が提供する世界最高水準の水素燃料電池システムを搭載している。

現代自動車は米国政府の多大な支援と水素市場へのさらなる参入によりFCEVの総所有コストが大幅に低下し、気候変動とサプライチェーンの問題によってクリーンエネルギーへの移行が加速すると強調している。

(藤原秀行)

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