米ドローンメーカーのSkydio、遠隔操作による目視外飛行の飛行許可を国交省から取得

米ドローンメーカーのSkydio、遠隔操作による目視外飛行の飛行許可を国交省から取得

日本全国で補助者なし、建物の点検などに活用促進

米国のドローンメーカーSkydio(スカイディオ)は6月7日、国土交通省航空局から、無人航空機の飛行「カテゴリーⅡ」で「無人航空機の飛行に関する許可・承認」を得たと発表した。

カテゴリーⅡは、人口密集地上空などを飛ぶ「特定飛行」のうち、無人航空機の飛行経路下で人の立ち入りを管理する措置を講じた上で行う飛行が該当する。

Skydioが日本国内で展開する全てのドローン機体と搭載しているソフトウェアが対象。一部例外を除き、日本全国で場所・時間を問わず運用規模を広げ、遠隔操作による目視外飛行を柔軟に行うことが可能になった。

許可取得により、飛行現場で補助者の配置が不要となり、Skydioはより安全かつ柔軟に、遠隔操作での目視外飛行を実施できるようになったと説明。飛行許可によって承認された安全対策を実施することで、事前に国交省航空局が運用する「ドローン情報基盤システム」(DIPS 2.0)で飛行計画を通報するのみとなり、飛行手続きも軽減された。

AIを活用した自律飛行技術を強みとするSkydioのドローンは、クラッシュリスクを最小限に抑え、360°全方位における障害物回避機能などを搭載しているため、従来のマニュアル操作のドローンでは困難・不可能だった近接距離で、あらゆる構造物の点検において安全に活用できるという。

建物、道路、発電所、自然災害後の現場など重要なインフラの点検業務でも、今後は業務員の安全を担保しながら、より迅速な遠隔対応が可能になる。さらに、今後は国内で展開するエンタープライズ向け製品の中でも特に「Skydio Dock」(スカイディオ ドック)と「Skydio Remote Ops」(スカイディオ リモートオペレーションズ)が活用されることを期待している。

「Skydio Dock」は、過酷な屋外環境や複雑な屋内施設の環境下でも配置できるドローンポート(専用の離着陸設備)で、操縦者単独で遠隔から安全なドローン飛行を実行することができる。遠隔制御ソフトウェア「Skydio Remote Ops」を利用し、操縦者なしで完全な自律飛行を遠隔から実施することにも対応している。


無人エリアでの遠隔操作も可能にさせるドローンポート「Skydio Dock」(Skydio提供)

(藤原秀行)

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