【独自取材】統一地方選挙を前に一部企業で出荷手控えの動き

【独自取材】統一地方選挙を前に一部企業で出荷手控えの動き

4月は車両に余裕あるトラック運送事業者も散見

4月に実施される統一地方選挙を控え、ここにきてメーカーなど一部業界に出荷量を抑える動きが散見されるようだ。背景には各地の政局動向を見極めたい荷主企業の意向があるとみられ、実運送を担う中小系トラック運送事業者でも4月の需給バランスは緩和すると予想している。

ロジビズ・オンラインが首都圏を中心にトラック運送事業者の経営者やドライバーにヒアリング調査を行ったところ、過半が統一地方選挙と貨物量の関係について指摘した。

大手メーカーの製造拠点と取引がある首都圏のある中小系トラック運送事業者の経営者、ドライバーは「このところ輸送オーダーは安定ないし減少している。荷主企業は選挙を前に様子見ムードではないか」とコメント。

また別の地場系物流事業者の経営幹部は「民主党(当時)が自民党から政権を奪取した2009年の時は早くから“政権交代”が叫ばれていたこともあり、これに前年のリーマンショックも尾を引いて貨物量は減少傾向で推移した。選挙前は程度の差こそあれ毎回似たような状況・雰囲気」と解説する。

これから関東~東北~四国に向かうという長距離ドライバーは「当社の現有戦力では今の輸送オーダーをこなすのが精いっぱい。荷主企業によって違いはあると思うが、10月の消費増税などを考えれば今がつかの間の余裕かもしれない」と複雑な心境を吐露した。

(鳥羽俊一)

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