LNG運航で3%燃費改善見込む、25年中に竣工へ
日本郵船は6月22日、大島造船所で建造するLNG(液化天然ガス)を主燃料とする大型石炭船2隻に、温室効果ガスの排出量を削減できる可変圧縮比機構(Variable Compression Ratio system、VCR機構)を搭載すると発表した。
VCR機構の搭載は従来主流だった重油を主燃料とする船舶を含めて、世界で初めてという。2隻はともに2025年中に竣工する予定。
VCR機構はエンジン燃焼室内空気の圧縮比率を、エンジン出力やLNG燃料の性状に応じて最適圧縮比に調整することによりLNGガスモード運航では約3%、ディーゼルモード運航では約6%の燃費を改善できる見通し。
今後は脱炭素燃料を導入する際のエンジン効率改善や、既存船の温室効果ガス排出削減でも、VCR機構が重要な役割を担うと期待されている。
VCR機構の断面図
本機構は、三井E&S DUの大型舶用低速エンジンの技術と経験に基づいて開発、要素試験を積み重ね、スイスのエンジンライセンサーのウィンターツール ガス&ディーゼルと共に商用化した技術。
VCR機構を搭載した舶用エンジン
2050年に向けた船舶燃料転換シナリオ(中期経営計画からの抜粋)
Sail GREENロゴ
(藤原秀行)※いずれも日本郵船提供