利害関係者と会食時、「割り勘」にせず土産も受け取る
国土交通省は6月26日、国家公務員倫理規程に違反し、利害関係者から物品の贈与を受けたなどとして、久保田雅晴航空局長を戒告の懲戒処分にした。
久保田局長は今年3月、元国交事務次官の本田勝氏が民間企業の空港施設の社長人事に介入したと報じられる2日前、本田氏らと会食。その際、利害関係者も出席していたが、久保田局長は代金を一部持ったものの割り勘にせず、利害関係者の方が多めに支払い、利害関係者から土産も受け取っていたという。
国家公務員倫理規程は公務員が許認可の相手方など、利害関係者から金銭・物品の贈与や接待を受けることを禁じている。公務員が当該ポストから異動した後も3年間は引き続き利害関係者とみなすと定めている。
久保田氏は航空局長に就く前の2021年6月まで物流を所管する公共交通・物流政策審議官を務めていた。利害関係者はセメント会社幹部で倉庫業も営んでいるため、国交省は利害関係者に該当すると判断した。
国交省は久保田局長と本田氏らの会食について、内閣府の第三者機関「再就職等監視委員会」に内容の調査を申し入れている。
(藤原秀行)