「物流の革新」実現へ強靭化などに注力

「物流の革新」実現へ強靭化などに注力

物流連・真貝新会長が就任会見、広報活動拡充にも意欲

日本物流団体連合会(物流連)の真貝康一新会長(JR貨物会長)は6月28日、東京都内で開催した定時総会後に就任後初の記者会見を行った。

真貝会長は「持続可能な物流を実現するため、4つの取り組みを物流連として進めていきたい」と説明。具体的には、物流の社会的価値を周知する広報活動の強化、自動化・デジタル化や就労環境改善など物流の機能強化、カーボンニュートラルなどの環境対策、物流事業者の海外展開支援を列挙した。

併せて、政府が6月にまとめた、トラックドライバーの長時間労働規制強化に伴い物流現場の混乱が懸念されている「2024年問題」への対応に関する政策パッケージを踏まえ「新たな切り口や方向性を持ちながら、物流業界全体のさらなる発展を目指していきたい」との決意を表明した。


会見する真貝会長

真貝会長は「広報のやり方も工夫して、物流を等身大で見ていただくことからさらに一歩踏み込むつもりで広報していきたい」と語り、学生らに物流の真価を理解してもらうための活動に注力していく姿勢を強調した。

また、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大で国際物流が混乱した経験を踏まえ「有事の際にしっかり物流、サプライチェーンを維持する重要性は非常に高まっている。政策パッケージにはモーダルシフトということに加えて、モーダルコンビネーションという言葉が出てくる。平時に加えて有事の際もいかにモードそれぞれの強みを発揮する形で最適化を追求していくことが大切かという観点に立っての表現だと思っている」と指摘。

「物流の革新的な姿を、業界団体としてしっかり見据え、実現に努めていきたい」と語り、物流連として率先して物流ネットワークの強靭化などを図っていく考えを見せた。

真貝会長と併せて、新たに代表理事に就任した栗林宏吉副会長(栗林商船社長)は、2024年問題への対応について問われたのに対し「(トラック輸送から鉄道や内航海運への)モーダルシフトが進まないのはリードタイムやコストなどいろいろな障害があるが、それよりも大きな問題として2024年問題が出てきていることがだんだん認識されてくれば、その壁を乗り越えられるのは確かだと思う。こちらからも、さらにより良い提案をしていくことが必要」と語り、モーダルシフトの促進に注力する意向を見せた。

(藤原秀行)

経営/業界動向カテゴリの最新記事