位置情報分析の東大発LocationMind、CO2排出量モニタリング支援ソリューションの実証実験に着手

位置情報分析の東大発LocationMind、CO2排出量モニタリング支援ソリューションの実証実験に着手

準天頂衛星システムみちびきの高精度位置情報と信号認証技術を利用

GPSを活用した位置情報の解析などを手掛ける東京大学発のベンチャー、LocationMind(ロケーションマインド)は7月3日、内閣府が主催する「2023年度 みちびきを利用した実証事業公募」に、みちびきの高精度位置情報と信号認証技術を利用したCO2排出量モニタリング支援ソリューションの提案が採択され、実証実験に着手すると発表した。

みちびきは、準天頂軌道の衛星が主体となって構成されている日本の衛星測位システムで、日本版GPSとも呼ばれる。サブメータ級測位補強サービスやセンチメータ級測位補強サービスなど、高精度かつ安定した衛星測位サービスが特徴。

LocationMindの提案は、

・運輸事業者のトラックに対し、みちびきの信号認証サービスを搭載した世界初の車載向けGNSS受信機を装着し、常時走行ログを取得できるシステムを構築
・走行ログと運輸事業者の配送情報を組み合わせることにより、配送ごとのCO2排出量、荷主毎の按分を計算し、位置情報の証跡とともにアウトプット
・同時に、信号認証の結果を踏まえて位置情報の証跡の信頼性を保証

――で構成している。


CO2排出量モニタリング支援ソリューション全体イメージ(LocationMind提供)

物流業界はCO2排出量報告の義務化やトラックドライバーの長時間労働規制強化に伴う物流現場の混乱が懸念されている「2024年問題」などの課題を抱え、解決策として位置情報活用によるDX化が必須となっている。しかし、位置情報の改ざんによるリスクについては認識があるものの、対策されていないのが現状。

そこで、物流業界全体の信頼性低下を防ぐ技術として今回の提案に踏み切った。採択を受けてLocationMindは、みちびきの信号認証対応受信機の開発、CO2モニタリングソリューションについて、今年7月に要件定義と開発をスタート。2024年2月まで実証実験を行い、運送事業者や受信機メーカーとの連携を通じてビジネス化を推進していく予定。

(藤原秀行)

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