関東~関西間でスワップボディコンテナ活用
デンソー、アスクル、エレコム、タカラスタンダード、三井倉庫ロジスティクス、安田運輸、大和ハウス工業の7社は7月6日、荷物を積載する荷台(コンテナ)部分を脱着できるスワップボディコンテナを用いた幹線中継輸送サービス「SLOC(Shuttle Line Of Communication)」の実証実験を7月10~14日の間、静岡県浜松市と埼玉県坂戸市を中継地点とし、関東・関西間で実施すると発表した。
ドライバーが行う輸送作業と荷物の積み降ろしなどの荷役作業を切り分け、荷主が荷役作業を行う「荷役分離」や、異業種による複数の荷物を同じコンテナに積載する「混載輸送」も行う予定。
運行の拘束時間とその内訳
出典:国土交通省トラック輸送状況の実態調査(令和3年)
トラックドライバーの長時間労働規制強化に伴う物流現場の混乱が懸念されている「2024年問題」の解決に向け、長距離輸送の負担を軽減し、持続可能性を高めるのが狙い。
SLOCはスワップボディコンテナ車両を使うとともに、QRコードを活用したコンテナ管理システムを導入することで、複数の荷主と複数の運送業者によって荷物を運ぶ新しい輸送形態。中継地点でコンテナを分離し、指定されたコンテナに載せ替えて目的地に輸送することができる。
トラックの乗り換えや荷物の積み降ろしがないため、トラック同士が待ち合わせる必要がなく、柔軟な運行スケジュールを立案できるようになり、長距離運行を日帰り運行にすることが可能。コンテナを分離できるという強みを活かし、荷主が荷物の積み降ろしを行う「荷役分離」や、異なる荷主が同じコンテナに荷物を積載する「混載輸送」も容易になると想定している。
7社は日帰り運行や荷役分離が実現することにより、若手・女性・高齢者など様々なドライバーの活躍が期待できるとみている。
■実証の概要
期間:2023年7月10日(月)~14日(金)
主な検証項目:
・1日6便(関西発3便/日、関東発3便/日)を運行し、事前に合意したスケジュール通りに運行できるかの検証
・中継地点に複数台のコンテナが置かれた場合でも、ドライバーが間違えずに脱着できるオペレーションの確認と課題の検証
・スマートフォンとQRコードを活用したコンテナ管理システムの利便性確認
・複数荷主の貨物を混載輸送した場合の役割分担や責任区分の確認と課題の検証
SLOCの流れ(イメージ)
スワップボディコンテナの交換の様子
参加企業と役割:
荷主
アスクル、エレコム、タカラスタンダード、三井倉庫ロジスティクス
荷主および混載作業
安田運輸
中継地点(マルチテナント物流施設「DPL坂戸Ⅱ」)提供
大和ハウス工業
コーディネータ―(運行スケジュール立案など実証実験取りまとめ)
デンソー
運送協力企業:
アートバンライン、遠州トラック、高伸物流、トランコム、フジトランスポート、優輪商事
(藤原秀行)※いずれも7社提供