日本郵船、自動車部品物流の脱炭素化へ大型EVトラック活用の共同実証実験を中国で開始

日本郵船、自動車部品物流の脱炭素化へ大型EVトラック活用の共同実証実験を中国で開始

三井住友海上やパナソニックのグループ企業と連携

日本郵船は7月12日、同社が出資する中国の日郵振華物流(天津)有限公司が、同国の自動車部品物流事業における脱炭素化推進を目指し、三井住友海上火災保険(中国)有限公司、パナソニック四維モビリティテクノロジーサービス北京有限公司と共同で、大型EV(電気自動車)トラック活用の実証実験を7月に開始すると発表した。

実証実験は2024年1月まで行う予定。日郵振華物流は大型EVトラックを試験導入し、天津市内の工場間で自動車部品輸送を展開。その際、松下四維の電池分析クラウドサービス「BetteRRRy(ベタリー)」を利用し、大型EVトラックの環境貢献性・経済性・安全性を検証するとともに、電池状態のデータをBetteRRR経由で三井住友海上中国に提供する。

日郵振華物流は電池利用の課題解決に向けたソリューションや保険商品の導入を見据えながら中国でEVトラックの導入検討を進める。将来は日本郵船グループとして得た知見を中国以外の地域でも活用し、自動車部品物流事業の脱炭素化を推進する。

各社の狙いと役割

会社名

概要

日郵振華物流

・自動車部品物流事業における脱炭素化推進を目指し、大型EVトラックを実際の輸送業務に試験導入し、環境貢献性・経済性・安全性の検証を行う。

・大型EVトラックには松下四維の電池分析クラウドサービスBetteRRRyを搭載し、電池状態の可視化や異常検知を行う。

・実証実験における電池状態のデータをBetteRRRyを通じて三井住友海上中国に提供する。

松下四維

・物流業界でのEV利用促進に向けて電池分析クラウドサービスBetteRRRyを提供

・電池の異常予兆検知や異常アラート発信による運用の安全性向上

・電池劣化状態の可視化に基づくコンサルティングによる運用の経済性向上

三井住友海上中国

 

松下四維との連携を通じて、以下2つの新たな保険商品の開発・提供の検証を行う

・電池のバックアップサービス責任保険

電池発火などの異常予兆を検知した際、対応を講じる費用を補償する(レッカーや点検・修復に要する費用など)

・電池の修理・交換等保険(商品開発中、商品名未定)

電池に、電池無償交換のメーカー保証範囲外で異常な劣化が発生した際、修理や交換に要する費用を補償する

【実証実験の概要】

【実証実験で使用するEVトラック】

(藤原秀行)※いずれも日本郵船提供

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