自動配送ロボットのHakobot、ねじ商社のサンコーインダストリーと資本・業務提携

自動配送ロボットのHakobot、ねじ商社のサンコーインダストリーと資本・業務提携

新型機の実用化へ取り組み加速、関西でも事業展開

自動配送ロボットの開発を手掛けるスタートアップのHakobot (ハコボット、宮崎市)は8月10日、ねじを中心としたファスニング製品の専門商社サンコーインダストリー(大阪市)と資本・業務提携したと発表した。サンコーの第三者割当増資を引き受け、資金調達を完了した。具体的な出資額など詳細は開示していない。

Hakobotは調達した資金を今春開発した屋外走行可能な新型自動配送ロボット「Hakobase(ハコベース)」試作機の実証実験とブラッシュアップに充て、製品化に向けて開発を加速させる。

2022年度からサンコーインダストリーの物流センターを中心とした、近隣区間での定期ねじ配送について協議を開始しており、今回の新型機を活用して物流センターのある東大阪市内での公道走行実現を目指し、実証実験などの取り組みを継続する。

Hakobotの新型機は、旧型機で採用した4輪駆動4輪操舵による高い走破性能を踏襲し、新たな設計で性能を向上させたのが特徴。高性能レーダー「3D LiDAR」やステレオカメラなどの各種センサーをシンプルなデザインでレイアウトし、自動配送ロボットとして新たな方向性のデザインを見出したと強調している。

今回の新しいデザインでは、制御基板類やUIパネルのレイアウトも見直し、高いメンテナンス性とユーザビリティも確保するよう努めた。


全体的にシンプルなデザインの新型機。機体のカラーカスタマイズも可能


「なんでも載せられる」荷室可変機構は継続して新型機でも採用

新型 Hakobase 仕様
全長:1026mm
全高:946mm (荷室を除く)
全幅:660mm
駆動方式:4WD
ステアリング方式:4WS
自動運転方式:SLAM
タイヤ:ノーパンクタイヤ
最小回転半径:1200mm
車体重量:98kg(荷室を除く)
最高時速:6km/h
耐荷重:100kg
最大登坂角度:10度
バッテリー:Li-ion (24V, 22Ah)
駆動時間:5時間(走行条件などにより変動)
充電時間:1時間(急速充電時)
使用周囲温度:-30~+45℃
保存周囲温度:-30℃~+55℃(推奨35℃以下)
※表記内容は一部評価中のため暫定値


新型機で屋内外での実証実験を実施中

資本・業務提携により、昨年度表敬訪問を行った東大阪市を中心に、関西圏での事業展開にも注力する。直近では、9月に大学構内での実証実験、11月にイベント「HANAZONO EXPO」内での実証実験(いずれも東大阪市)を実施する予定。


サンコーインダストリー東京支社で撮影に応じるサンコーインダストリーの奥山淑英社長とHakobot経営陣


昨年度奥山社長と東大阪市役所を表敬訪問し、野田義和市長に自動配送ロボットを説明

サンコーインダストリーの奥山淑英社長は「トラックを使うまでもないが、人の手を介する運搬も手間が掛かるような、例えば資料の拠点間移動や、東大阪市荒本のトラックターミナルに存在する多数の企業へねじの小口配送を担うなど、600m~1kmの範囲でのミクロな配送を担うことをHakobotには期待している」とコメントしている。

(藤原秀行)※いずれもHakobot提供

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