総務省審議会で報告、IoT活用した業務効率化を検討
日本郵便は7月27日、総務省が開催した情報通信審議会郵政政策部会で、全国の郵便ポストの活用状況を報告した。
今年3月末時点で、郵便ポストは全国に17万5145本で、日本郵政公社が発足した2003年の年度末(04年3月末)から5.9%減少。
今年6月に全国で郵便物収集担当者への調査を実施したところ、1カ月当たりの投函数が30通以下の郵便ポストが全体の25.1%を占め、0~1通とほぼ使われていないものも全体の3.9%あることが分かった。特に過疎地では30通以下の郵便ポストが49.7%に達した。
日本郵便は投函数が少ない理由として、周辺の世帯数が少ないことや、駅や商業施設といった住民の生活導線上にないこと、近隣に郵便局があることなどを挙げている。投函時の駐車スペースがないことや、施設内に置かれていて施設利用者以外の投函が少ないといった理由も確認しているという。
郵便法の施行規則は「各市町村および各特別区内に郵便ポストをまんべんなく設置する」ことなどを定めており、容易にポストを減らせない仕組みとなっている。投函数が少なくても、日本郵便の配達員は1日1回以上、各郵便ポストを収集で回っている。eメールやSNSの普及などで郵便物の利用件数が長期低落傾向にある中、業務効率化が課題となっている。
日本郵便は、過疎地で郵便ポスト内部にカメラと通信機器を取り付け、IoTを活用して郵便物が投函されているかどうかを遠隔で確認する実証実験を展開していることを説明。一定程度、収集業務の負荷軽減効果を確認できたものの、機器設置・運営コストなどが課題と指摘した。
併せて、郵便ポストを活用して地域に情報発信するなど、郵便物投函以外の役割を持たせ、よりアセットとして有効活用できるようにすることについても検討していると紹介した。
(藤原秀行)