既に海外で顧客獲得、日本で展開加速図る
テラドローンは8月22日、グループ会社でベルギーに本拠を置き、ドローンの運航管理技術開発を手掛けるUnifly(ユニフライ)の株式を7月3日付で追加取得し、保有比率を51%まで高めて子会社化したと発表した。
ユニフライとの結び付きを強め、グローバルでドローンや「空飛ぶクルマ」の運航管理事業を拡大、「空のインフラ」構築を加速していきたい考え。
(テラドローン提供)
テラドローンは2016年の設立以来、ドローンの普及にはUTM(運航管理システム)が非常に重要と注視。創業から1年足らずにうちにユニフライへ出資していた。ユニフライが当時、既に欧州各国のANSP (航空管制サービスのプロバイダー)を顧客に抱え、先駆的な取り組みを行っていたことを評価した。
現在、ユニフライはカナダ、スペイン、ドイツ、サウジアラビアなど8カ国以上にANSP向けのUTMシステムを提供、リーディングカンパニーとして存在感を高めている。併せて、複数のエリアで国全体に自動承認を含むUTMオペレーションを提供している企業として、技術力と信頼性が評価されている。
近年、ドローンや空飛ぶクルマの活用は物流、警備、災害対応など、社会の多岐にわたる分野で注目が集まっており、適切な運航管理と安全対策を講じる重要性がさらに高まっていることを考慮、ユニフライの子会社化に踏み切った。
今後、ユニフライが世界各地で蓄積してきたUTMの知見や先行事例を日本のUTM事業に活用し、政府や公的機関とも連携しながら、日本のUTM事業の活性化を後押ししていきたい考え。
特に、ユニフライを既に利用しているカナダのANSP、Nav Canadaが実施している飛行従量課金モデルは、空のインフラ作りの一環として先進的な取り組みであると同時に、日本で新たな空のインフラを構築するための重要な参考事例とみており、日本でも実現を目指す。
(藤原秀行)