最高時速240km計画、2026年の商品化目標
米カリフォルニアに本社を置き、「空飛ぶクルマ」の開発を手掛けているASKAは8月24日、空飛ぶクルマ「ASKA A5」のフルスケール実機を、8月11~20日に開かれた世界的な自動車展示会「モントレー・カー・ウィーク」で公開したと発表した。
車モードから飛行機モードへのトランジション、プロペラの回転、公道での走行機能などのデモを披露した。
同社によると、SUV(多目的スポーツ車)サイズのASKA A5は公道の走行と垂直離着陸、飛行機としての飛行が可能な世界初の空飛ぶクルマという。陸空両用のASKA A5は最高基準の安全性を基に設計し、250マイル(約400km)の飛行航続距離を備える。
同社は6月30日、米連邦航空局(FAA)による認証書(COA)と特別耐空証明を取得し、FAAへの型式証明手続きを正式に開始。8月2日には実機が安定した空中停止飛行(ホバリング)に成功した。
ASKA A5は米自動車管理局(DMV)からナンバープレートを取得し、地元シリコンバレーの公道で300マイル(約480km)以上のテストを無事終えた。
ASKA A5(Exotics on Broadwayにて)
ASKA A5(モントレーのパーキングにて)
共同創業者兼会長のカプリンスキー真紀氏は2026年の商品化に向けた今後のステップについて「Advanced Air Mobility(AAM、先進的エアモビリティ)はファーストマイルとラストマイル、および既存の地上インフラと連携することで普及します。一般の方々との交流から、エアモビリティへの理解が高まってきていることが実感でき、予約注文も着実に急増しています」と語った。
ASKA A5空飛ぶ車 ペブルビーチにて
ASKA A5はパイロット1人、乗客3人の計4人乗りで、ヘリコプターのように垂直に離陸し、小型飛行機のように飛行できる。翼を格納するとSUV程の大きさになり、公道を走るとともに通常の駐車場に機体を停めることが可能。飛行と走行のいずれも電動で、バッテリーシステムに加えガソリンエンジンをレンジエクステンダーとして搭載し、飛行中にバッテリーを充電するプラグインハイブリッドを採用している。
最高飛行速度は時速150マイル(約240km)を計画。価格は1機78万9000ドル(約1億1000万円)を見込む。予約注文受付を開始しており、個人、企業、医療関係団体より既に5000万ドル(70億円)以上の予約が寄せられているという。
(藤原秀行)※いずれもASKA提供