JLL調査、賃料は横ばい
JLL(ジョーンズ ラング ラサール)が8月29日に公表した2023年第2四半期(4~6月)の東京圏における大型物流施設市場動向の調査結果によると、賃貸施設の期末平均空室率は7.3%で、前期(1~3月)から0.8ポイント低下した。前年同期比では3.3ポイント上昇した。
東京ベイエリアの空室率は7.2%で、前期比2.6ポイント低下した半面、内陸エリアは7.3%で前期から横ばいだった。
オンライン小売業や3PL事業者らの旺盛な物流施設需要が持続し、大型の新規供給を吸収、東京圏全体としては6四半期ぶりに前期から空室率が下がった。
ネットアブゾープション(吸収需要)は79万4000㎡で、上半期(1~6月)の累計は141万5000㎡に達し、半期としては20年上半期の値を超えて過去最大を記録した。
第2四半期の新規供給は8棟・68万3000㎡で、ストック(総賃貸可能面積)は前期比4%、前年同期比21%それぞれ拡大した。
(JLL資料より引用)
第2四半期末時点の東京圏の賃料は月額坪当たり4545円で、前期比横ばい、前年同期比では1.2%の上昇となった。ベイエリアは前期比横ばい、内陸エリアは新規供給の高い賃料水準が全体を押し上げ、前期比0.3%アップした。
JLLは今後の⾒通しに関し「賃貸市場では供給の増加により空室率が高止まりしているが、2024年以降供給が減少する見込みであり将来的な空室率低下が予想される。賃料の低いサブマーケットでの新規供給による賃料下押し圧力があるものの、土地価格や建築コストの高騰による賃料上昇圧力がそれを上回ると予測され、平均賃料は上昇する見通し」と展望した。
(藤原秀行)