主要コンビニ8社のオーナー、6割が「従業員不足」と回答

主要コンビニ8社のオーナー、6割が「従業員不足」と回答

経産省意識調査、時給アップや能力給採用、24時間営業廃止など求める声

経済産業省は4月5日、主要なコンビニチェーン8社の加盟店オーナーを対象とした意識調査結果を公表した。

オーナーの6割が「従業員が不足している」と回答。募集しても集まらず、仕事に就いてもすぐに辞めてしまうことなどを理由に挙げる向きが多かった。対策としては時給アップや能力給の採用、チェーン本部のサポート、24時間営業廃止などの職場環境改善、一定のエリアでの密集した出店禁止といった事柄が挙がった。

世耕弘成経済産業相は同日、経産省を訪れた主要コンビニ各社の経営トップと会談し、人手不足を是正するための自主計画策定を要請した。

「密集した出店禁止」「子供連れ出勤容認」要望も

調査は昨年12月から今年3月まで実施。日本フランチャイズチェーン協会に加盟するコミュニティ・ストア、セイコーマート、セブン―イレブン、デイリーヤマザキ、ファミリーマート、ポプラ、ミニストップ、ローソンのオーナー3万757人を対象とし、1万1307件の回答があった。

パートタイマーやアルバイトを含む従業員の現状について、「不足している」が61%、「足りているが何かあれば運営に支障が出ると思う」が34%だった。「十分に足りており(スタッフの退職など)何かあっても対応できる」は6%にとどまった。

人手不足の理由としては(複数回答可)、「募集しても来てくれないから」「必要な一部の時間帯に勤務できる人が少ないから」の2項目を選択した人が圧倒的に多かった。「せっかく雇用してもすぐにやめてしまうから」「求められる待遇を提示できないから」「必要な能力・スキルを満たす人がいないから」なども多く見られた。

従業員確保に有効な施策としては
・時給アップ・能力給の採用
・本部サポート
・職場環境改善(福利厚生、業務効率化、24時間営業の廃止など)
・知人、従業員、地域からの紹介、外国人材の活用
・政府の補助
・密集した出店の禁止
・子供連れの出勤を認める
―といった取り組みが主に挙げられた。

フランチャイズ加盟「満足していない」が39%

フランチャイズに加盟したことについては、「大変満足している」が8%、「おおむね満足している」が45%と両方で5割を超えた。同時に、「満足していない」が39%に上り、本部の対応に不満を抱えているオーナーが根強く存在することも浮き上がった。

「満足していない」と表明したオーナーにその理由を聞いたところ(複数回答可)、「想定よりも利益が少ない」が最も多く、「労働時間/拘束時間が想定していたより長過ぎる」、「季節商品などに注文目標数量を設定される」、「自分の好きな商品を販売することが難しい」といった声が並んだ。

本部と一体になって店舗を発展させる上で本部に要望することとしては(3つまで回答可)、「店舗で人員が不足した際、人材を派遣するといった支援をしてほしい」が断トツでトップ。「店舗から本部への相談にきめ細かく対応してほしい」、「消費者ニーズに対応した新商品・サービスの開発をしてほしい」、「店舗への優秀な人材を割り当ててほしい」といった項目も多く選ばれた。

自分が経営する店舗で強化や新たな実施を希望する取り組みに関しては(複数回答可)、「期限切れ商品のリサイクル」が最多で、「高齢者・女性向け商品の拡充・販売」、「地元の産品を使った商品の拡充・販売」、「環境負荷の少ない商品包装の促進や包装の簡素化」などが目立った。オーナーの間で環境負荷軽減や消費者の変化に配慮した商品開発を望む意識の強いことが明らかになった。

(藤原秀行)

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