サステナブルな海上物流実現へ研究プロジェクト推進
東京大学大学院新領域創成科学研究科は8月30日、持続可能な海上物流を実現するシミュレーション共通基盤を構築し、デジタルエンジニアリングを活用した海事分野の技術開発と人材育成を推進するため昨年10月1日に設置した社会連携講座「海事デジタルエンジニアリング講座」(MODE)に、今年4月3日付で6社が新たに参加したと発表した。
6社は商船三井、ナブテスコ、船舶用機器のJRCS、新来島サノヤス造船、常石造船、船舶用システムの寺崎電気産業。この6社を含めてトータルで東京大と15の企業・団体が名を連ねている。
MODEは自動車産業などで導入が進んでいる、シミュレーションモデルを設計、開発で活用し、実物の試作や試験を通しての改良を大幅に減らすことでトータルの開発工数と工期を削減する手法「モデルベース開発(MBD)」と、システムが達成するべきゴールに基づき、オペレーションコンセプトを定め機能要件などを明らかにしシステムの設計、検証、マネジメントを行う手法「モデルベース・システムズエンジニアリング(MBSE)」を重視。
両手法を海事産業の新製品・サービス開発と設計・実証へ本格的に導入するため、次世代のサステナブルな海上物流の鍵となる低炭素・脱炭素船や自動運航船に関する具体的な研究プロジェクトを立ち上げ、各プロジェクトの推進と同時にシミュレーション共通基盤の構築に取り組んでいる。
6社が追加で加わることで、海上物流を支えるステークホルダーが集結し、海事分野の脱炭素化・自動化に向けた研究開発・社会実装と人材育成の拠点形成の拡張・強化を目指す。今後も参画メンバーを国内外から募る。
参画組織名(2023年8月30日時点)
国立大学法人東京大学(以下、五十音順)
株式会社MTI
JRCS株式会社
ジャパン マリンユナイテッド株式会社
株式会社商船三井
株式会社新来島サノヤス造船
常石造船株式会社
寺崎電気産業株式会社
NAPA Ltd
ナブテスコ株式会社
一般財団法人日本海事協会
日本無線株式会社
日本郵船株式会社
BEMAC株式会社
古野電気株式会社
三菱造船株式会社
(藤原秀行)※プレスリリースより引用