現場の生産性向上や労働負荷軽減、環境負荷低減を後押し、24年2月開設・稼働予定
鴻池運輸は9月1日、千葉県習志野市で、空調機のメーカーや代理店など向けに展開している、据え付け工事や部材輸送などを包括的に請け負うサービス「Konoike-MultiVendorSystem(K-MVS)」の新たな事業拠点となるテクニカルセンター「テクノロジス幕張」を2024年2月に開設すると発表した。
地上4階建て、延床面積は2万4670㎡を計画しており、投資額は約64億円の予定。
テクノロジス幕張の完成イメージ
K-MVSは加湿器などオプションの取り付け、板金製作・加工、塗装改装なども担っている。中期経営計画の重点4項目の一つ「⾰新への挑戦:技術の活⽤とDXならびに協業による挑戦」の一環に位置付けており、工事現場における取り付け⼈材不足、納入車両待機時間発生、余剰在庫、CO2削減など多様な課題解決に対応するのが狙い。
これまでは鴻池運輸の既存拠点で提供してきたが、首都圏の堅調な再開発で業務⽤空調機改装業務の需要が伸びると見込める上、人手不足で工事現場の生産性向上、労働負荷軽減、環境負荷低減が強く求められていることもあり、K-MVSの提供体制増強へ新拠点の開設に踏み切る。
空調機メーカーが、業務⽤空調機をオフィスビルや商業施設などに施工する場合、サブコントラクターが各ベンダーと連絡を取りながら、空調機本体、配管、配線といった部材を調達、工事現場で組み立てながら据え付けるのが一般的。
しかし、この⽅法では現場で空調機の配管や配線工事が必要なのに加え、部材の余剰在庫や保管場所確保、納品車両待機時間によるドライバーの負担やCO2排出量増加、各種煩雑な手配業務の発生など多様な課題を抱えている。
K-MVSはこうした課題をまとめて解決できると強調。空調機据付に必要な配管・配線工事など、全てを鴻池運輸の拠点で一括して担い、工事現場に納品する。
従来、空調機据付工事現場で行っていた作業を、あらかじめテクノロジス幕張で実施後、工事現場に納品するイメージ(いずれも鴻池運輸提供)
■テクノロジス幕張の概要と特徴
名称 | テクノロジス幕張 |
延床面積 | 24,670㎡ |
規模 | 鉄骨4階建 免震構造 |
特徴 | ・業務⽤空調機改装、プレハブ工法が対応可能なモノづくり ・改装機能に機軸を置いた保管・配送機能を併⽤するセンター ・10トン天井クレーン1基、2.8トン天井クレーン1基、塗装ブース、400V電源を各フロア完備、機密検査、垂直搬送機、貨物⽤EV2基、垂直搬送機2基 ・敷地内の舗装路面に廃PET活⽤高耐久アスファルト改質剤使⽤ ・太陽光発電および蓄電技術を活⽤し、CO2排出ゼロを目指す |
稼働開始予定 | 2024年2月 |
所在地 | 千葉県習志野市芝園2-3-1 |
(藤原秀行)