伊藤園が業界初、茶殻活用の軽量パネルを荷室に使った営業用小型EVを10月導入開始

伊藤園が業界初、茶殻活用の軽量パネルを荷室に使った営業用小型EVを10月導入開始

環境負荷低減、屋根昇降・高所作業なくし社員の働きやすさ確保も

伊藤園は9月1日、脱炭素に向けた取り組みの一環として、飲料製品などを積載する営業車「ボトルカー」に、いすゞ自動車の小型EV(電気自動車)トラック「ELF EV」を採用、茶殻配合軽量パネルを架装(荷室)に搭載した業界初の独自EV車「EVボトルカー(茶殻配合軽量パネル搭載型)」を10月から順次導入すると発表した。

年10月に第1号車両を再生可能エネルギー100%由来の電力を使う「CO2フリープラン」の営業拠点に導入し、2023年度内に東京地区の営業拠点へ30台を順次展開する計画。


(伊藤園提供)

同社は2050年度までにカーボンニュートラルを実現することをうたった中長期環境目標の中で「全車両中の電動車使用比率を30年度に50%とする」をKPI(重要業績評価指標)として定め、積極的に電動車の導入を推進している。ただ、「ボトルカー」は充電施設や走行距離の問題から電動化が課題となっていた。

飲料製品などを積載する架装(荷室)のスライドドアやバックドアに茶殻をアップサイクルした「茶殻配合軽量パネル」を使用して軽量化。電費向上を図っている。併せて、空容器積載スペースを架装内に設置し、屋根昇降・高所作業をなくして社員の業務負荷軽減と働きやすさを向上させている。同社は業界初の試みと強調している。

従来の3t車両で使用していた架台を茶殻配合軽量パネル搭載型にした場合、最大で110kgの軽量化が可能という。

同社は地域密着型営業のビジネスモデルを採用し、約3350台の車両(ボトルカーを含む)を使用している。エコドライブの徹底やルート効率の向上に努めてきたが、今後は「EVボトルカー(茶殻配合軽量パネル搭載型)」を使用し、CO2排出量削減とともに、社員の働き方を見直す施策として積極的にEVボトルカーを採用していく構え。

(藤原秀行)

テクノロジー/製品カテゴリの最新記事