日本郵船、メタン排出削減を掲げる環境イニシアティブに参画

日本郵船、メタン排出削減を掲げる環境イニシアティブに参画

LNG燃料船の環境負荷低減拡大目指す

日本郵船は9月7日、海事産業のメタン排出削減を目指す環境イニシアティブ「Methane Abatement in Maritime Innovation Initiative」(MAMII)に主要パートナーとして9月中に参画すると発表した。

MAMIIはロイド船級協会により設立された非営利団体「Safetytech Accelerator Limited」が主導。2022年9月の発足以来、これまでに日本郵船を含めて計16の企業・団体が参画している。

LNG(液化天然ガス)燃料船からのメタン排出量を測定・評価し、参加企業間でメタン排出量削減の知見共有、技術導入の支援などを進める。また、サプライチェーン全体でLNG燃料が環境に与える影響についても、調査や知見の共有を図る。

LNG燃料は、従来の重油燃料と比べてCO2排出量を約25%抑制できる効果があり、同社はLNG燃料を将来的なゼロエミッション船を実現するまでのブリッジソリューション(つなぎの方策)の一つと位置付け、LNG燃料船の普及を進めている。ただ、LNGの主成分のメタンの一部が大気中に放出されるメタンスリップは、温室効果ガス排出削減の観点から課題となっている。

同社はこれまでに、メタンスリップ量を従来比で約半減できる次世代二元燃料機関を先駆けて採用。航海中に主機からプロペラにつながる軸の回転を利用して発電できる軸発電機や主機関・発電機関の効率的な運転に寄与するバッテリーハイブリッドシステムの導入など、LNG燃料船の一層の環境負荷低減を図るため、積極的に取り組んできた。

MAMIIに名を連ねることで、同じ目標・課題を共有するパートナーと連携し、海事産業の脱炭素化へより強力に貢献していきたい考え。

(藤原秀行)

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