国内外の規制法当局審査長引く、「株式交換の方針変更なし」と強調
ANAホールディングス(HD)と日本郵船は9月26日、ANAHDが日本郵船傘下で航空貨物輸送を手掛ける日本貨物航空(NCA)を株式交換で買収する時期を、当初予定の10月1日から2024年2月1日に変更すると発表した。
ANAHDと日本郵船は変更の理由について、国内外の競争法当局による審査に時間がかかっているためと説明。「株式交換を実行する方針に変更はない」と強調している。
ANAHDは傘下の全日本空輸(ANA)を中心としたエアライン事業の利益最大化を目指しており、貨物事業も伸ばしたい考えで、NCAをグループに収め同事業の基盤強化を図る。
NCAは10年、日本郵船の完全子会社となったが、運航・整備体制拡充のための機材更新や人員育成に多大なコストを要することなどが課題となっていた。日本郵船はANAHDにNCAを売却し、海運事業に経営資源を集中させることを念頭に置いている。
(藤原秀行)