森トラストとソフトバンクロボティクス、Octa Robotics、三菱HCキャピタルの4社がサービスロボット実装へ検証加速

森トラストとソフトバンクロボティクス、Octa Robotics、三菱HCキャピタルの4社がサービスロボット実装へ検証加速

仙台の複合施設活用、「ロボットフレンドリーな環境」構築目指す

森トラストとソフトバンクロボティクス、自律走行ロボットの開発を手掛けるOcta Robotics(オクタロボティクス)、三菱HCキャピタルの4社は9月29日、共同で研究開発しているサービスロボットの運行に関する技術について、経済産業省による補助事業「令和5年度革新的ロボット研究開発等基盤構築事業」に採択されたと発表した。

4社は採択を受け、あらゆる施設におけるサービスロボットのスムーズな運行を可能とする「ロボットフレンドリーな環境(ロボフレ環境)」の構築に向け、ホテルやオフィス、
商業施設を含む複合施設「仙台トラストタワー」(仙台市)で、複数階の移動を伴う清掃業務や食品(お弁当・コーヒー・ランチBOX)のデリバリーサービスなどの業務にロボットを実装。その効果や運用上の課題、経済性の検証を進める。現場でのロボット実装は2024年3月までの予定。


仙台トラストタワー(写真内、右側のビル)(プレスリリースより引用)

2022年度までの実証はホテルやオフィスといった単一用途の施設を対象に、ロボットの走行や作業に影響を与える物理的な環境特性に関するレベル分け(ロボフレレベルの定義)を進め、ロボフレ環境を整備する上での有効性と経済性を検証した。

3期目となる2023年度は、検証施設の範囲を広げ、さまざまな用途で使用される複合施設を対象に、エレベーターや自動ドアなどの施設内のロボットの縦横移動や、ロボット同士が協調して衝突などを避ける方法、ロボットの自己位置認識のためのマーカー(標識)の共有化などを総合的に検証する。

より実装に近い形で検証を行うことで、さまざまな施設に汎用的に適用可能なモデルの構築を図る。

今後はロボットフレンドリー施設推進機構(RFA)などと組み、今回の検証結果をサービスロボット導入に関わるさまざまなパートナーと共有できるガイドラインとして提言することで、サービスロボット導入の加速に貢献していくことを図る。

■今回の研究開発の概要

目的 ・2022年度の実証成果を踏まえた実装に基づくサービスロボットの運用上の
物理環境課題の洗い出し・分類
・ロボットフレンドリー環境下での有効性・経済性の検証
場所 仙台トラストタワー(宮城県仙台市青葉区一番町1-9-1)
実施期間 2023年9月~24年3月(予定)
各社の役割 森トラスト
・プロジェクト管理、成果の取りまとめ
・プロジェクト実施場所の提供
ソフトバンクロボティクス
・既存施設のロボフレ化手段の検討
・サービスロボットの提供とそれを用いた検証
Octa Robotics
・既存施設のロボフレ化手段の検討
・ロボットフレンドリー環境を前提としたサービスロボット要求仕様の検討
・ロボット・建物設備連携サービス「LCI」の提供
三菱HCキャピタル
・移動型サービスロボットプロトタイプの保有、 および提供
・サービスロボット普及に向けた新たなサービス等の検討

(藤原秀行)

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