包装メーカーのロックなど、プロジェクト始動
老舗包装メーカーのロック(大阪府八尾市)は10月3日、他のメーカーや物流事業者などと連携し、送る物に対して箱のサイズが大き過ぎる不適切な梱包を解消する「ぶかぶか梱包をやめようプロジェクト」を立ち上げたと発表した。10月から本格的に始動させる。
「ぶかぶか梱包」から商品のサイズに適した「ぴったり梱包」に切り替えていくことで輸送効率を高め、トラックドライバーの長時間労働規制強化に伴う物流現場の混乱が懸念されている「2024年問題」にも対応していきたい考え。
プロジェクトの活動としては、「ぶかぶか梱包」がもたらす物流課題の見える化、EC事業者や流通業者、消費者の理解促進、「ぴったり梱包」に適した資材や梱包方法の提案
などを想定している。
2024年問題によって「物が運べなくなる懸念」が物流事業者や荷主企業などの間で強まる中、ロックは物を包む「梱包」に着目し、プロジェクトを通じて“トラックにいかに多くの荷物を積むか”といった効率的な輸送形態を追求することにした。
ロックは一例として、高さ100mmの「60サイズ」段ボールを全て高さ20mmの「ぴったり梱包」の荷物にした場合、2tトラックでは約3倍の積載量となり効率化できると指摘。さらに、高さ20mmまで“ぴったり”にできると、一般的な郵便受けに入るサイズとなるため、玄関先で受け取る必要もなく、再配達の手間も省くことができると強調している。
また、プロジェクトで一般消費者を対象に調査したところ、小型の商品を注文したのに商品のサイズに合わない大き過ぎる「ぶかぶか梱包」で届くケースに遭遇した割合が40%以上に達したという。
ロックはその結果、本来商品自体は郵便ポストに収まるサイズであるにもかかわらず、箱が大きいため受取人が不在の場合には再配達が発生し、さらに、その時間に再度家に居なければいけならず、時間的な制約も生まれると指摘。プロジェクトの調査では「ぶかぶか梱包」のため再配達を余儀なくされた人が2人に1人以上の割合になっていると分析した。
さらに、送料が必要以上にかかってしまうことがあり、「ぶかぶか梱包」の場合と郵便ポストで受け取れる場合を比べると最大4倍以上の送料の差が発生すると解説。ロックはプロジェクトを通じ、「一般生活者が適正な送料で輸送を利用し続けることができるよう、また、環境への配慮の側面からも、広く『ぴったり梱包』を呼び掛ける」と表明している。
■賛同企業
【企業名】 |
【事業内容】 |
【所在地】 |
【代表者】 |
株式会社カンペ |
畳材料総合商社 |
京都府京都市 |
代表取締役社長 神邉 泰典 |
株式会社 豊商 |
農業資材販売等 |
代表取締役社長 高木 滿郎 |
|
鼎高機械科技股份有限公司 |
フィルム包装機 |
台湾 |
劉益志 |
台湾神商股份有限公司 |
翻訳関連 |
台湾 |
康鉫瑜 |
山﨑株式会社 |
包装資材販売等 |
宮崎県宮崎市 |
代表取締役 山﨑 正嗣 |
シンワ株式会社 |
包装資材、物流機器関連商社 |
大阪府高槻市 |
代表取締役社長 勝又 敏行 |
株式会社ミマス |
包装機械の販売・買取・レンタル等 |
大阪府東大阪市 |
代表取締役 益田 賢司 |
高田紙器株式会社 |
パッケージおよびダンボールケース |
大阪府八尾市 |
代表取締役 副社長 高田和弘 |
ロジ・コンビニエンス株式会社 |
物流・運搬資材提案販売等 |
兵庫県尼崎市 |
代表取締役 佐野真二 |
株式会社大榮 |
運送事業、構内事業 |
大阪府大阪市 |
代表取締役 吉田 昌弘 |
エーケーツール株式会社 |
切削工具卸の専門商社 |
大阪府大阪市 |
代表取締役社長 清水 拓也 |
株式会社ロジックスライン |
一般貨物自動車運送事業 |
千葉県成田市 |
代表取締役 沢田 秀明 |
株式会社宏栄 |
包装資材全般の加工及び販売 |
大阪府大阪市 |
代表取締役社長 山口 恒徳 |
株式会社ピンスポット |
新聞、雑誌広告の企画制作等 |
大阪府大阪市 |
山口 紀幸 |
一般財団法人 日本次世代企業普及機構 |
ホワイト企業の認定 |
大阪府大阪市 |
代表理事 岩元 翔 |
(藤原秀行)※いずれもロック提供