JAF実態調査、水準は過去最高
JAF(一般社団法人日本自動車連盟)は10月24日、今年の8月9日~9月20日に全国の「信号機のない横断歩道」でどの程度歩行者優先が守られているかについての実態調査結果を公表した。
全国平均の経年推移(2016~23年、JAF提供)
調査は各都道府県で2カ所ずつ、全国合計94カ所で信号機が設置されていない横断歩道を通過する車両7087台を対象に実施。歩行者が渡ろうとしている場面で一時停止した車は3193台(45.1%)で過去最高となった。前年の調査時から5.3ポイント上昇し、35都道府県で停止率が上昇するなど、増加傾向が見られた。
調査は2016年から毎年実施しており、今年で8回目。調査場所の詳細と17年までの各都道府県結果(傾向含む)は公表していない。今回は最も停止率が低かった県でも20%を超えており、20年調査時の全国平均停止率(21.3%)を上回った。
ただ、いまだに約半数の自動車が止まっていないことになる。道路交通法は横断歩道に近づいた車両に対し、横断する歩行者がいないことが明らかな場合を除き、手前で停止できるよう速度を落として進むとともに、横断しようとする歩行者がいる時には横断歩道の直前で一時停止し、横断を妨げないことを義務付けている。
JAFは車両に対し、横断歩道では手前で減速し、歩行者優先を守るよう要請するとともに、横断者にもドライバーへ横断の意思表示をするよう呼び掛けている。引き続き、ドライバーには法律に則り、歩行者を保護する意識を持つことが強く求められる。
23年調査の結果を都道府県別に見ると、最も停止する割合が高かったのは長野で84.4%。石川(76.4%)、栃木(74.8%)、熊本(66.1%)、岐阜(65.4%)、静岡(63.9%)などと続いた。
半面、最も低かったのは新潟で23.2%。他にも佐賀(26.2%)、大阪(26.7%)、福井(同)、茨城(27.6%)、北海道(29.0%)、神奈川(29.1%)などの低調さが目立った。
▼全国調査:信号機のない横断歩道実態調査 2023
https://jaf.or.jp/common/safety-drive/library/survey-report/2023-crosswalk
(藤原秀行)