ゼロエミッション化実現、動力源の振動や騒音の大幅低減も可能
ヤンマーホールディングス傘下のヤンマーパワーテクノロジー(PT)は10月26日、今年8月に商品化した舶用水素燃料電池システムを商船三井グループなどが出資する「MOTENA-Sea(モテナシー)」の旅客船「HANARIA(ハナリア)」向けに初めて出荷したと発表した。
舶用水素燃料電池システム(240kW機)
ハナリアは水素とバイオディーゼルを使ったカーボンニュートラルを実現する日本初のハイブリッド型旅客船で、生み出した電気でプロペラを回す電気推進システムを採用している。
2台の水素燃料電池・蓄電池・発電機関・電力制御・推進機器・遠隔監視など、ヤンマーPTが統合設計(システムインテグレート)したパワーシステムを搭載している。
また、水素燃料電池システムと蓄電池のみでの運航ではゼロエミッション化を実現するとともに、動力源の振動や騒音を大幅に低減し、排気ガスの臭いがなく快適な船内環境の実現に貢献できると見込む。
本船の建造は公益財団法人 日本財団の「日本財団ゼロエミッション船プロジェクト」に採択され、実施した。
納入機器スペック
型 式 |
GH240 FC(水素燃料電池システム) |
認 証 |
JG(国土交通省海事局管轄) |
定格出力 |
240kW×2台 |
外 形 |
W2,700×D1,100×H1,700mm |
質 量 |
2,400kg |
燃 料 |
水素(ISO14687 type I, Grade D) |
排 気 |
ゼロエミッション(CO2、 NOx、SOx、PM排出ゼロ) |
「HANARIA」進水式の様子(9月13日、MOTENA-Sea提供)
(藤原秀行)※いずれもヤンマーPT提供