日本郵船グループ、LNG燃料タグボート「魁」をアンモニア燃料仕様に改造へ

日本郵船グループ、LNG燃料タグボート「魁」をアンモニア燃料仕様に改造へ

温室効果ガス排出削減図る

日本郵船は10月31日、温室効果ガス排出量削減策の一環として、グループの新日本海洋社が東京湾内で運航していたLNG(液化天然ガス)燃料タグボート「魁」を、アンモニア燃料タグボート(A-tug)仕様に転換すると発表した。

グループの京浜ドックの追浜工場(神奈川県横須賀市)で改造工事を始めた。

改造工事は日本郵船とIHI原動機、日本シップヤード、ジャパンエンジンコーポレーションの4社が2021年10月、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のグリーンイノベーション基金事業の公募採択を受けた「アンモニア燃料国産エンジン搭載船舶の開発」の一環で実施している。

主機(エンジン)・燃料タンクを含む機関全体を交換するため、機関室を切断して既存LNG燃料仕様の設備を取り出し、新たにアンモニア燃料仕様のものを設置する。

搭載するアンモニア燃料エンジンは、IHI原動機太田工場(群馬県太田市)で実機による運転試験を終え、CO2の約300倍の温室効果があるN2O(一酸化二窒素)や未燃アンモニアの排出がほぼゼロとなることを確認済み。

A-tugは2024年6月の竣工を予定しており、その後は新日本海洋社の運航で世界初のアンモニア燃料船として、脱炭素効果や運航の安全性を検証するための実証運航を継続する計画。

(藤原秀行)※いずれも日本郵船提供

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