商船三井、九電向けにLNG燃料パナマックス型石炭専用船「苓明」の運航開始

商船三井、九電向けにLNG燃料パナマックス型石炭専用船「苓明」の運航開始

火力発電所の燃料を海外から輸入、温室効果ガス排出削減に期待

商船三井と九州電力は11月14日、建造を進めていた環境負荷の低いLNG(液化天然ガス)を主燃料とするパナマックス型石炭専用船が同日竣工し、運航を開始したと発表した。

名村造船所(大阪市)の伊万里事業所(佐賀県伊万里市)で命名竣工式を行い、「苓明(れいめい)」と命名した。

九州電力苓北発電所(石炭火力、熊本県天草郡苓北町)の「苓北」と「夜明け」を表す「黎明」に由来。安全 航行を始め、輸送船の未来を明るく照らしていくようにという願いを込めているという。


LNG燃料パナマックス型石炭専用船「苓明」(いずれも商船三井と九州電力)

本船は、LNGを燃料とする大型石炭専用船で、商船三井が運航を担い、九州電力の石炭火力発電所向けに海外から石炭を輸送する。

LNGは従来の船舶燃料油に比べて、温室効果ガスのCO2は約30%、硫黄酸化物(SOx)は約100%、窒素酸化物(NOx)は約80%の排出削減が期待されている。

11月14日に佐賀県の伊万里港を出港後、11月15日に福岡県の戸畑港で陸上のLNG出荷設備から本船へ直接燃料を供給する「Shore to Ship」方式でバンカリングを実施する予定。

今後はLNGバンカリング船による「Ship to Ship」方式でのLNGバンカリングも想定している。

<本船概要>
船名:苓明
運航会社:株式会社商船三井
全長:234.92メートル
全幅:38.0メートル
載貨重量トン数:95,792トン
建造年:2023年
造船所:株式会社名村造船所
船籍:リベリア共和国

(藤原秀行)

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