最大500台まで同時制御可能、5年以内に10億円売り上げ目指す
製造業や物流業界の現場作業改善可能な先端技術を取り扱う専門商社リンクスは11月22日、代理店契約を結んでいる中国の産業用カメラ大手HuaRay Technology(ファーレイテクノロジー)製の「iPAYPLE(アイレイプル)」ブランドのAMR(無人搬送ロボット)とAGF(自動フォークリフト)を、日本で本格的に販売を開始したと発表した。
今年2月に代理店契約を締結した後、ファーレイテクノロジー製品のマーケティング活動などを展開、製造業や物流事業者から好評を得ているため、本格的に提供する。
AMRは棚に潜り込んで持ち上げ、搬送するタイプで、まず可搬重量が600kgと1tの2種類を日本で提供する。高性能センサー「LiDAR(ライダー)」を搭載し、庫内で周辺の人や障害物を自動的に検知、回避しながら安定して走行する。より正確な移動が求められるエリアはQRコードを使って誘導することも可能。異なるナビゲーション技術を切り替えて使える。AGFは可搬重量が1.5kgで、同じくセンサーを用いて安全に庫内を移動できるようにしている。
また、iPAYPLEのロボットコントロースシステムを顧客企業のWMS(倉庫管理システム)などと接続させることで、複数のAMRやAGFを効率的かつ安全に庫内で運行させられるようになる。最大500台までAMRやAGFを同時に制御できるという。
「iPAYPLE」ブランドのAMR。狭いスペースでもお互いに接触せず移動できる
棚を持ち上げて搬送する
一例として、ファーレイテクノロジー親会社のDahua Technology(ダーファテクノロジー)の工場で、部品倉庫や生産センターのエリアでAMR500台、完成品倉庫や物流センターのエリアで200台をそれぞれ運営し、仕分け工程を大幅に省人化していることを紹介した。
東京都内の本社で同日、記者会見したリンクスの村上慶代表取締役は「工場内の物流はオートメーションの唯一残された未開拓地で“最後のフロンティア”。まず構内物流にフォーカスして積極的に販売し、5年以内に10億円を売り上げたい」と目標を語った。
同社ロボティクス事業部事業責任者の牛垣雅人氏は、ファーレイテクノロジー製のAMRやAGFは2023年に中国などで既に約8000台の納入実績を重ねていると説明。製造内製化によるコスト抑制で低価格化を実現していることなどで差別化を図ることが可能と期待を見せた。
AMRと撮影に応じる村上代表取締役
リンクス本社内に設けたAMRのデモスペース
(藤原秀行)