マグニチュード7.6と推定、高速道路や空港などに被害
気象庁によると、1月1日午後4時以降、石川県の能登地方を震源とする大きな地震が続けて発生した。午後4時10分ごろには同地方の志賀町で最大震度7を観測した。この地震のマグニチュード(M)は7.6と推定している。
石川県の七尾市や輪島市などで震度6強、同県能登町や新潟県長岡市などで震度6弱を観測しており、北陸地方と新潟県で大きな揺れを記録した。気象庁は同日、一連の地震を「令和6年能登半島地震」と命名した。石川県内で震度7を記録したのは初めてという。
気象庁は同日午後4時22分、石川県に大津波警報を出した。併せて、山形、新潟、富山、福井、兵庫の各県に津波警報を発令した。それ以外にも北海道から福岡に至るまで日本海沿岸の広い地域で津波注意報を出している。
その後、大津波警報は津波警報に切り替えたが、同日午後11時時点で警報は解除されておらず、各地域の住民らには海岸から離れて高台などに避難するよう呼び掛けている。石川の輪島港で1メートル20センチの津波を観測するなど、各地で津波が押し寄せた。
地震発生直後からJR東日本は東北、上越、山形、秋田、北陸の各新幹線の運転を一時見合わせた。このうち東北、山形、秋田の各新幹線は同日午後5時20分までに全て運転を再開。北陸・上越各新幹線も午後5時50分までに一部区間で運転を再開したものの、全線で再開できる時間のめどは不明。
地震直後から北陸地方を走る関越自動車道や北陸自動車道などの一部区間が通行止めとなり、1月1日午後11時時点でも完全には解消されていない。路面でひび割れが見つかったところもあり、全面的な復旧には時間を要する可能性がある。
国土交通省によると、1月1日午後8時現在の情報として、石川県の能登空港でターミナルビルや航空局庁舎などに被害が出ており、建物外へ約160人が避難。滑走路上に3センチ以上の段差が見つかり、閉鎖されている。
物流に関しては、今のところ被害の情報は特に寄せられていないという。ただ、ヤマト運輸によれば、1月1日午後6時現在、全国から北陸3県と新潟県向けの荷物と、この4県から全国へ向かう荷物の配達に遅れが発生している。佐川急便も同日午後7時現在、石川県内の一部自治体で荷物の集荷・配達をストップしている。日本郵便も郵便物やゆうパックの配達に遅れが出ている。
(藤原秀行)