【現地取材・動画】佐川など、東京・青梅で都内初のドローン「レベル3.5」飛行で配送実験公開

【現地取材・動画】佐川など、東京・青梅で都内初のドローン「レベル3.5」飛行で配送実験公開

災害利用も想定、25年度実用化目指す

佐川急便は3月7日、東京都青梅市の山間地域で、ドローンを使った荷物配送の実証飛行をメディアに公開した。都内で初めて、機体のカメラから地上の歩行者や障害物の有無をリアルタイムで確認できれば補助者や看板の配置が不要になる飛行形態「レベル3.5」で実施した。

実証飛行は佐川のほか、ドローンなどの開発を担うイームズロボティクス、日本気象協会、サンドラッグも参加。山間地の生活利便向上を目指す東京都の支援を得て、2月26日から3月8日までの間、青梅市内の2ルートで1日当たり最大6回(3往復)実施し、模擬の荷物を運んでいる。機体が住宅などの上空を通るのは避けている。

この日の飛行は、災害時を想定して約5kgの救援物資を模した荷物をイームズロボティクス製ドローンに搭載。市内の二俣尾5丁目第二運動広場~旧北小曾木ふれあいセンター間約2.5kmのルートを飛び、無事に荷物を届けた。ドローンに取り付けた荷物は、受け取り手が自分で鍵を開けて取り出した。


実証に投入しているドローン。ペイロード(最大積載重量)は10kg


スムーズに着陸

「レベル3.5」は昨年12月、政府がよりドローンの物流などへの活用を後押しするために解禁した。補助者を配置しなくても済むことなどから運営コストを抑えられるのがメリット。

実験公開後、佐川でドローン物流の検証を担当している千葉春生事業開発部技術研究課長は、同社として2025年度中にドローン配送サービスを実用化するとの目標にあらためて言及するとともに「現状では1個当たりの宅配コストに到底及ばないので、採算性の改善が課題。社会受容性も高めていきたい」と語った。


取材に応じる千葉課長

(藤原秀行)

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