物流再編プログラムの一環、10月から順次稼働へ
出版物取次大手の日本出版販売(日販)は3月22日、グループ全体で取り組む「物流再編プログラム」の第1弾として、今年10月に埼玉県新座市に開設する新拠点の名称を「N-Port新座」にすることを決めたと発表した。
グループの物流拠点最適化に向け、日販グループホールディングスと「TSUTAYA(ツタヤ)」を運営するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)の合弁でツタヤの卸事業などを担っているカルチュア・エクスペリエンス(CX、旧MPD)の一部物流拠点の機能を統合する。
(日本出版販売提供)
「N-Port新座」はシーアルーイ―(CRE)が開発した物流施設に入居。自動倉庫「ラピュタASRS」の導入を既に決定しており、他にもロボティクスの活用や新しい倉庫管理システム(WMS)導入などを進めて物流システムの高度化を図る計画。
分散していた日販グループの物流拠点や機能の整理・統合による物流拠点最適化を目的に、CXの「厚木サテライト」と「西日本センター」の文具雑貨在庫出荷機能を統合する。グループとしての物流コスト削減を図るとともに、文具・雑貨商品の物流機能を効率化し、取引書店へのサービスレベル向上にもつなげる。
新拠点の詳細や物流再編プログラムの進捗は随時公表する予定。
■新拠点「N-Port新座」概要
名称 :N-Port新座(略称:NP新座)
所在地 :埼玉県新座市中野1丁目13-20
延床面積 :7,670坪
稼働予定 :2024年10月より順次
主要業務 :文具雑貨商品等の保管および仕分・出荷
出版社からの物流受託事業の拡張
他社からの物流業務受託(3PL)
<特徴>
書店様の売場展開に合わせた文具・雑貨商品などの出荷拠点を拡張し、保管・仕分・出荷などの物流機能を効率化する。商品を収めた棚を持ち上げて作業エリアに搬送するGTPタイプのロボットなどを先行的に導入し、商品ピッキング作業の生産性を現状に比べて約3倍に向上させることを目標に掲げる。
同時に、作業者が歩く距離をできる限り少なくするなど作業者の身体的負担を軽減する。
グループ共通となる新しいWMSを新拠点から導入し、業務フローを標準化。さまざまな状況に応じた物流サービスの提供を効率良く実現することを想定している。
半径3km圏内に日販グループの拠点が4つ集積し、延べ1万7000坪余りの作業拠点が集中する。拠点間輸送などの輸送距離を短縮し、繁閑に合わせた作業スペースや人員の融通などを可能にする。
また、近隣には出版社の倉庫も多く隣接しており、将来の物流連携検討を開始しているという。
(藤原秀行)