集落の孤立防ぐ、医薬品や衛星携帯電話を空輸
KDDIスマートドローンとエアロネクスト子会社でドローン物流を手掛けるNEXT DELIVERYは3月22日、静岡県下田市で3月11~14日、「レベル3.5」飛行による災害時の物資配送と空撮による被災状況確認の実用化を目指した実証実験を行ったと発表した。
静岡県と下田市は過疎対策における革新的技術の活用を推進しており、これまでに海水浴場の安全監視業務へのドローン導入を準備。2022年度末から防災・災害対策におけるドローン採用の検討もスタートした。
下田市は山間部に集落が点在し、このうち8カ所は大規模災害時に道路の寸断や、孤立することが懸念される。発生時には孤立予想集落で情報の収集、連絡手段の確保、物資の輸送など、安全、迅速、確実に実施することが必要になるため、下田市などがドローンを生かすことを検討している。
河津建設資材倉庫(下田市箕作)~入谷地区(下田市須原)の片道4.7㎞を飛行。医薬品(医薬品を模倣した箱)、衛星携帯電話を空輸で届けた。飛行時間は約9分だった。
配送を行う物流専用ドローンAirTruck(エアートラック)
配送を行った医薬品(医薬品を模倣した箱)と衛星携帯電話
衛星携帯電話を使用し災害状況を報告する様子
(左から)静岡県・白濵光弘経営管理部地域振興課長、下田市・松木正一郎市長、KDDIスマートドローン・森嶋俊弘ソリューションビジネス推進2部長
監視用機体は可搬性に優れた小型・軽量機体のMatrice 300 RTKに、上空モバイル通信と運航管理システムによる遠隔制御および自律飛行を実現するスマートドローンアタッチメントを取り付けた機体を使用。
配送用機体はエアロネクストが開発した物流専用ドローン「AirTruck(エアートラック)」を使い、レベル3.5飛行(無人地帯上空での目視外自律飛行)を実施した。
(藤原秀行)※いずれもNEXT DELIVERY提供