川崎汽船や伊藤忠など6社、アンモニア燃料船を共同開発へ

川崎汽船や伊藤忠など6社、アンモニア燃料船を共同開発へ

NEDOプロジェクトの一環、脱炭素加速狙い

川崎汽船は4月11日、伊藤忠商事、日本シップヤード、三井E&S、NSユナイテッド海運と組み、ドイツのフォルクスワーゲン傘下で船舶用エンジンを手掛けるMAN Energy Solutions(MANエナジー・ソリューションズ)とアンモニア燃料船の商用化に向けた共同開発を進めることで合意したと発表した。6社で覚書を締結した。

アンモニアは燃焼させても温室効果ガスを出さないため、脱炭素を進められる燃料として国内外で期待が高まっている。その一方、アンモニアは毒性があり、輸送・保管時の安全性確保が燃料としての普及にとって不可欠となっている。

今回の共同開発は新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「グリーンイノベーション基金事業/次世代船舶の開発/アンモニア燃料船の開発」に共同採択された、「アンモニア燃料船開発と社会実装の一体型プロジェクト」の一環として実施。商用化前の「パイロットプロジェクト」として、MANが開発を進めているアンモニア焚き機関を搭載した載貨重量20万t級大型ばら積み船を日本シップヤードが建造することを前提にしている。

竣工後も商用化のために必要な運航データを収集し、アンモニア焚き機関とアンモニア燃料船の商用化に向けた取り組みを関係者と共同で進めていく予定。


覚書を締結した(左から)NSユナイテッド海運・佐藤義則執行役員、三井E&S・田中一郎取締役、マンエナジーソリューションズジャパン・ダニエル・シュトラックマイアー社長、日本シップヤード・檜垣清志社長、川崎汽船・池田真吾執行役員、伊藤忠商事・尾関洋彦船舶海洋部長(プレスリリースより引用)

【各社役割】

パートナー

役割

MAN社

アンモニア焚き機関の設計・開発および竣工後におけるアンモニア焚き機関の検証

日本シップヤード

アンモニア焚き機関搭載の20万t級大型ばら積み船の設計・建造

川崎汽船

NSユナイテッド海運

アンモニア焚き機関搭載の20万t級大型ばら積み船の運航管理(船員教育・船舶管理体制の構築)、アンモニア焚き機関の運転データ収集

三井E&S

20万t級大型ばら積み船に搭載するアンモニア焚き機関の製造および周辺システムの設計・製造

伊藤忠商事

アンモニア燃料供給に関する情報共有

(藤原秀行)

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