帝国データ調査、2024年問題に懸念の声
帝国データバンクが4月3日公表した3月の景気動向調査によると、景況感の水準を示す業種別の景気DIは「運輸・倉庫」が43.1で、2月から1.2ポイント上昇した。前月から上向いたのは昨年12月以来、3カ月ぶり。
水準自体は新型コロナウイルス感染拡大前の2019年10月(44.9)並みを維持しているが、最近は改善と悪化が混在している。「2024年問題」が本格的に始まり、今後業界の景況感がどのように動くかが注目される。
全業種ベースの景気DIは3月が前月比0.5ポイント上昇し44.4で、3カ月ぶりに改善。訪日観光客が増え、観光業が好調なことなどがプラスになったようだ。
TDBは今後の景況感について「金利の動きが注目される中、個人消費を中心として緩やかに持ち直していくと見込まれる」と予想している。
運輸・倉庫業の個別のコメントを見ると、先行きに関しては「自動車関連が堅調」(普通倉庫)、「価格改定による売上高の増加を見込んでいる」(集配利用運送)と前向きな声が出た。
半面、「2024年問題で、人手不足、人件費高騰、燃料が高止まっている」(一般貨物自動車運送)、「物流の停滞や資源高騰、中国景気の悪化の影響」(組み立てこん包)との厳しい見方も聞かれた。
調査は3月15~31日、全国2万6935社を対象に実施、41.8%の1万1268社から有効回答を得た。運輸・倉庫業は468社が回答した。
(藤原秀行)