テラドローン、国外対象の「空飛ぶクルマ」向け運航管理システム開発に着手

テラドローン、国外対象の「空飛ぶクルマ」向け運航管理システム開発に着手

グループ2社と連携

Terra Drone(テラドローン)は4月25日、子会社でベルギーに拠点を置く運航管理システム(UTM)プロバイダーのUnifly(ユニフライ)、3月に出資しグループ会社化した米国のUTM大手Aloft Technologies(アロフトテクノロジーズ)の2社と組み、欧州や米州、中東、アジアなどの国外をターゲットとした「空飛ぶクルマ」向けUTMの開発に着手すると発表した。

テラドローンによれば、UTMの実装・運用実績を基に複数企業がタッグを組んで空飛ぶクルマ向けUTM開発に踏み込むのは世界で初めてという。


UTM運用のイメージ


世界の空飛ぶクルマ市場規模

ドローンソリューションを提供するサービスプロバイダーで世界第2位のテラドローンと、カナダやドイツなど国家レベルでのUTM導入で世界トップクラスの実績を持つユニフライ、ドローンや空飛ぶクルマの市場が世界最大規模といわれる米国のUTM市場で84%以上のシェアを誇るアロフトが連携することで、より高性能のUTMを生み出し、空飛ぶクルマの普及を後押しできると自負している。

3社はこれまで、ドローン黎明期から10年弱の年月をかけてUTM開発を進めてきた。その経験を基に、空飛ぶクルマ市場が拡大するタイミングに備えて、デジタル化や自動化が進む既存のUTMプラットフォームの機能を拡張する形で、空飛ぶクルマ向けのUTM開発を進めることが可能だとみている。

既存のUTMは、機能的に空飛ぶクルマの飛行を完全にサポートできる仕様にはなっておらず、より多様で複雑なものになると想定。3社は進化を続ける空飛ぶクルマ業界のニーズを認識した上で、空飛ぶクルマの飛行に不可欠な追加機能の開発を進め、既存のUTMに組み込む形で、空飛ぶクルマ向けUTMの基盤整備を図る。

さらに現在、各国で実装が進む既存のUTMと同様、国ごとに一部異なる仕様となることを想定している一方で、中長期的にはグローバルでのシームレスな相互運用・統合を目指して規格化などにも積極的に貢献していくことを目指す。


3社が開発する空飛ぶクルマ向けUTMのイメージ(いずれもテラドローン提供)

(藤原秀行)

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