プロダクト量産などに充当、海外展開も
米スタンフォード大学発のスタートアップでワイヤレス給電技術の開発を手掛けるエイターリンク(東京都墨田区錦糸)は5月9日、シリーズB(事業拡大期)ラウンドで合計20.6億円の資金調達を実施したと発表した。
会社設立以来の累計調達額は約30億円(借入金、助成金含む)に達した。
既存投資家の慶應イノベーション・イニシアティブと伊藤忠テクノロジーベンチャーズ、新規投資家のジャフコ グループ、スパークス・アセット・マネジメントをファンド運営者とする未来創生3号ファンド、みずほキャピタル、SMBCベンチャーキャピタル、三菱UFJキャピタル、事業会社1社の計8社が増資を引き受けた。
エイターリンクはマイクロ波ワイヤレス給電で配線が不要な“デジタル世界”の実現を目指し、FA(Factory Automation、ファクトリーオートメーション)機器、ビルマネジメント、メディカルの3領域へのワイヤレス給電技術の応用を目指している。消費電力抑制など省エネ効果が見込まれる。
今年3月には空間伝送型ワイヤレス給電システム・ソリューション「AirPlug(エアプラグ)」の一般販売をビルマネジメント向けに開始した。
調達した資金は、ビルマネジメント向けAirPlugの量産や営業拡大、FA領域に対するプロダクトの開発・量産体制の立ち上げ、メディカルを含めた新たな領域に対する研究開発や事業立ち上げのための投資に充てる。
加えて、ビルマネジメント向けシステム・ソリューション「AirPlug」の海外展開も始めており、まず米国をはじめとしたグローバル展開にも資金を活用していく計画。
(藤原秀行)