北越コーポ、香港の投資ファンド・オアシスや四国の大王海運からの株主提案に反対表明

北越コーポ、香港の投資ファンド・オアシスや四国の大王海運からの株主提案に反対表明

岸本社長解任など、対立収拾の見通し立たず

製紙中堅の北越コーポレーションは5月22日、大株主を務めている香港の投資ファンドオアシス・マネジメントや大王海運(愛媛県四国中央市)が6月26日開催の定時株主総会で予定している株主提案に対し、反対する意向を発表した。

オアシスは北越コーポの企業統治に問題があると主張し、岸本晢夫社長や社外取締役の解任などを要求。大王海運も経営状況に強い不満を表明し、社外取締役を5人増員するよう求めている。

北越コーポはオアシスの提案について、岸本社長が就任して以来、自社の業績は伸びており、適切なガバナンスを維持できていると強く反論。大王海運に対しても現行の社外取締役が適切に業務監視の役割を果たしていると説明、言い分を真っ向から否定した。

オアシスは北越コーポ株を約18%、大王海運はグループ会社と合わせて約19%の北越コーポ株をそれぞれ保有している。大王海運は製紙の原材料や紙製品の輸送・保管・配送などが事業の中核を占めており、大王製紙創業者が設立に携わるなど製紙業界との関わりが深い。

北越コーポは昨年12月、大王海運とグループ企業が北越コーポ株式を急速かつ大量に買い集めていることを理由に、買収防衛策の導入を決定した。6月の定時株主総会では、大王海運などへの対抗措置を条件付きで発動することを提案する予定で、北越コーポとオアシスや大王海運の対立は収拾の見通しが立っていない。

(藤原秀行)

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