JILS調査、収入減少や業務忙しさへの不安目立つ:労働環境改善への期待も
日本ロジスティクスシステム協会(JILS)は5月17日、「2024年問題」に関するトラックドライバーの意識調査結果を公表した。
調査は今年3月、関西圏の運送事業者3社のトラックドライバーを対象にアンケート票への無記名記入で実施、51人が回答した。
新たに定められた年間時間外労働時間の上限960時間について、回答者の2割強が、1カ月平均の80時間を上回る時間外労働を行っていることが分かった。
また、長時間労働規制強化を受け、収入減少や業務の忙しさへの不安を覚えている人が目立った一方、労働環境改善や余暇時間増加への期待も示された。
時間外労働の年間上限960時間規制について、知っている人は78%、知らないと答えた人が22%いた。
1カ月当たりの平均的な時間外労働は、「80時間以上100時間未満」が12人で最も多く、「60時間以上80時間未満」が9人で続いた。「10時間未満」は7人、「40時間以上60時間未満」は5人などとなった。
規制について不安に感じていること(複数回答可)は「収入が減る」が24人で半数近くに達した。「忙しくなる(業務の密度が高くなる)」は14人、「業務が計画しにくくなる」は9人などと続いた。「不安はない」も16人いた。
規制に対して期待していること(同)は「積み込み先や届け先での待ち時間や荷役時間が短くなる」が17人でトップ。「余暇の時間が増える」(13人)、「自身の健康と業務の安全が改善される」(10人)、「家族や友人と過ごす時間が増える」(7人)などとなった。「期待はない」は14人だった。
(藤原秀行)※いずれもJILS資料より引用