政府の規制改革推進会議が答申、事業者の負荷低減狙い
政府の規制改革推進会議は5月31日、2024年度の答申をまとめた。
物流関係では、国土交通省に対し、タワーマンションなど大型の共同住宅を新築する際、物流事業者が荷さばきするための駐車スペースを設けるよう義務付けることを提案している。トラックドライバー不足の深刻化などを踏まえ、物流事業者の負荷を減らすのが狙い。
国交省が駐車場法に基づいて、各自治体が一定規模以上の建築物を新増築する際、駐車場設置を義務付ける条例のひな形として活用するよう通知している「標準駐車場条例」を改正、荷さばき用スペース設置を規定に追加し、自治体にあらためて周知するよう要請している。
対象となる建物の条件など詳細は今後、国交省が詰める。同会議は2024年度中に改正するよう求めている。
同会議は答申の中で、一部の研究ではタワーマンションに荷さばき用の駐車スペースがない場合、車両と荷物を届ける先の間の1往復で30分程度要することもあると指摘されていることに言及。路上駐車が交通渋滞を引き起こす原因になり得る点なども踏まえ、規制の見直しが必要との見解を示している。
答申はこのほか、物流事業者が路上などの駐車許可を申請する手続きをオンライン化してハードルを下げることや、駐車許可自体を取りやすくすることを盛り込んでいる。
(藤原秀行)