三菱地所が仙台で東北圏初、自動運転トラック受け入れ可能な高速道路IC直結の「次世代基幹物流施設」開発へ

京都・城陽に続き、2030年代前半の竣工目指す

三菱地所は6月7日、仙台市で新しい物流システムに対応した高速道路IC直結の「次世代基幹物流施設」を開発すると発表した。

仙台市、仙台市郡山北目土地区画整理組合設立準備委員会、三菱地所の3者間で同日、計画実現に向けた連携に関する覚書を締結した。

　
　

三菱地所はシステムが自動運転を担う「レベル4」の自動運転トラックなど、次世代モビリティを受け入れることが可能な次世代型の物流施設を整備し、業務を効率化することでトラックドライバー不足の解決に貢献していくことを目指している。

今回は2030年代前半をめどに、延床面積約27万3000㎡の大規模なマルチテナント型の次世代基幹物流施設を東北圏に整備し、「2024年問題」にも対応するほか、政府が実現へ取り組んでいる「フィジカルインターネット」の構築にもつなげていきたい考え。

直結型次世代基幹物流施設の完成イメージ

仙台駅から約6.3km、国道4号線・東北自動車道・仙台東部道路に接続する仙台南部道路の結節点、長町IC直結の物流施設を開発する。高速道路ICに直結した専用ランプウェイを設けることで、自動運転トラックや後続車無人隊列走行などの次世代モビリティが高速道路から一般道に下りることなく物流施設を使えるようにする。

レベル4自動運転トラックが建物内まで運行できるよう施設を整備するほか（建物内運行における特有技術につき特許出願済）、現在実用化されているダブル連結トラックも受け入れられるようにする予定。

将来は東北圏における基幹物流施設として関東圏とネットワークを構築し、物流IoTなど最先端技術にも対応した中核物流拠点として、日本全国を結ぶ物流ネットワークの広域幹線物流システムを担う計画。

　
　

三菱地所は京都府城陽市でも、同じく次世代モビリティに対応した基幹物流施設の開発計画に着手しており、このほか関東圏や中京圏でも基幹物流施設の検討を進めている。

昨年6月にはレベル4自動運転トラックによる幹線輸送を目指すT2と資本・業務提携を締結。T2の手掛けるレベル4自動運転トラックによる日本の幹線輸送と三菱地所が開発する次世代基幹物流施設を融合させ、自動化・省人化を推進するほか、効率的な輸配送による環境負荷低減にもつなげる。

■開発計画の概要

広域図

狭域図

（藤原秀行）※いずれも三菱地所提供